インターハイは運動部だけのものじゃない 同世代全員にエールを…総合開会式に臨む高校生たちの青春
「運動部と縁がない」主役が発する、高校生全員へのメッセージ
「インターハイはスポーツの祭典ですが、やっぱり高校生のベースは教室だろうなと。椅子に座って学校での1日が始まり、そこで終わっていく。高校生のかけがえのない日常を切り取って描きました。主役はあくまでも高校生。インターハイに出る選手だろうがなかろうが、運動部だろうが文化部だろうが、みんな頑張っている。そんな生徒たちの生き生きとした姿を見せられればなと思っています」
久留米大学附設高校の演劇部顧問である岡崎教諭は、公開演技の脚本に込めた想いをそう語る。
<ありがとうを強さに変えて。駆け上がれ、夢の舞台へ>
劇中でのさまざまな高校生との交流を経て、主演を務める明善高校演劇部の山田さんが発するこのセリフで、公開演技はフィナーレを迎える。
インターハイは間違いなく、全国から集まり日本一を目指す運動部の選手のための大会だ。しかしその舞台を作り、運営を支える側にも多くの高校生が関わり、それぞれが青春の1ページを刻んでいく。
「私は運動部と縁がない人生なんです。中学も家庭科部で、ずっと文化部でやってきたから、運動部の人のことはもう遠くからただ凄いなって、あんなに一生懸命にできて凄いなって思っていました。運動部のキラキラとした感じには、今もすごく勇気づけられるものがありますね」
しかし、そんな自称「万年文化部」の山田さんが、インターハイ総合開会式の舞台の中央でスポットライトを浴び、誰よりもキラキラと輝きながらエールを送る。
<だから私は、私たちは、みんなに、私たち自身にエールを送ろう。ここから始まる、みんなの夢の舞台のために――>
日本一を目指す選手たちの裏で、大会の成功に向けて汗を流す多くの高校生たちがいる。会場で飛び交う声援やメッセージにそれぞれの想いを込めて、今年も爽やかなエールに包まれるインターハイの暑い夏が始まった。
(THE ANSWER編集部・谷沢 直也 / Naoya Tanizawa)