インターハイは運動部だけのものじゃない 同世代全員にエールを…総合開会式に臨む高校生たちの青春
高校スポーツ最高峰の大会である全国高校総体(インターハイ)が、今年も7月21日のソフトボール女子を皮切りに開幕した。「ありがとうを強さに変えて 北部九州総体2024」と銘打たれた今大会は、福岡、佐賀、長崎、大分の会場を中心に全30競技を実施。8月20日まで各地で熱戦が繰り広げられる。
「北部九州総体2024」総合開会式リハーサル、出演者それぞれのストーリー
高校スポーツ最高峰の大会である全国高校総体(インターハイ)が、今年も7月21日のソフトボール女子を皮切りに開幕した。「ありがとうを強さに変えて 北部九州総体2024」と銘打たれた今大会は、福岡、佐賀、長崎、大分の会場を中心に全30競技を実施。8月20日まで各地で熱戦が繰り広げられる。
全国から日本一を目指し、各競技のトップクラスの選手が集結するインターハイは「運動部の真夏の祭典」だが、その裏では大会の成功に向けて多くの同世代の高校生が汗を流し、選手たちにエールを送っている。
7月27日に福岡の久留米アリーナで開催される総合開会式にも、そんな想いを抱く地元の高校生たちが出演する。「THE ANSWER」は6月22日に、同会場で行われたリハーサルを取材。25分間に及ぶ「公開演技」の成功へ向けて、運動部とは異なる形で青春の1ページを刻む高校生たちの姿を追った。(取材・文=THE ANSWER編集部・谷沢 直也)
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メインアリーナの中央に懐かしい光景が広がる。誰もが座ったであろう学校の椅子が並んだ教室をイメージした空間で、高校生による等身大のストーリーが展開されていく。
出演する演劇部員は約30名。地元・久留米市にある明善高校と久留米大学附設高校、そして福岡市のキャンパスで活動するクラーク記念国際高校による合同チームだ。いずれも九州大会や全国大会に出場する強豪で、ライバル関係にある3校が今回のインターハイ総合開会式のためだけに集結した。
「私3年生なので、最初『受験やばい!』と思って(笑)。でもこんな機会、本当になかなかないじゃないですか。普通に生きていたら二度とない機会だから、これを蹴って受験するのも違うな、やらない理由はないなと思って、どちらも頑張ることにしました」
こう語ったのは、中心メンバーの1人である金多贇さん(久留米大学附設高校3年)。昨年12月に演劇部を一度引退したが、同部の顧問で、今回のインターハイ公開演技の脚本や演出を手掛ける岡崎賢一郎教諭に声をかけられると、「やります」と即答した。
「うちの演劇部はもともと他校との交流が少なくて、こうやって一緒に練習をするのが初めてなんです。一緒にできて嬉しいなと感じる一方で、実はまだ名前が分からない人もいる。友だちの役をやる上で難しさもあるのですが、本番までにはみんなの名前を完璧に覚えますよ(笑)」
3校合同だからこそ、スケジュールを合わせるのも一苦労で、全体練習はまだ数回しかできていないという。それでも主演を務める山田衣純さん(明善高校2年)は、普段とは異なる環境に難しさを感じつつも「最近、みんな1つのクラスという感じになってきています」と笑顔を見せながら、公開演技のストーリーについてこう続ける。
「私たち自身にも、みんなにもエールを送ろうというテーマがあります。今回の公開演技を見てくれた人を元気づけられるような、そんな舞台にしたいと思います」