“元男子校”横浜を彩るチアリーディング部 共学化4年目の夏、伝統の応援席に吹く新しい風
第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は21日、横浜スタジアムで準々決勝第1試合が行われ、3年連続の甲子園出場を目指す横浜は相洋に5-0と快勝し、4強進出を決めた。高校野球の伝統男子校が、男女共学になって4年目の夏。横浜の三塁側応援席にはチアリーディング部の甲高い声が響いた。
第105回全国高校野球選手権・神奈川大会
第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は21日、横浜スタジアムで準々決勝第1試合が行われ、3年連続の甲子園出場を目指す横浜は相洋に5-0と快勝し、4強進出を決めた。高校野球の伝統男子校が、男女共学になって4年目の夏。横浜の三塁側応援席にはチアリーディング部の甲高い声が響いた。
甲子園で何度も流れた伝統の応援歌が、野太い声に混じって甲高い声が聞こえた。声の主は、2020年の共学化と同時に設立された横浜のチアリーディング部の部員たち。最初に集まったのは60人。甲子園で春夏5度の優勝を誇る高校野球の名門だけに「野球応援がしたい」と入部した生徒が多くいた。未経験者も多く、初めは基礎と柔軟から始まった。
学校カラーである黄色地のユニホームに赤のポンポンがハマスタのスタンドに映える。「黄色のユニホームはなかなか被らないと思って。背面にあるトリコロールのばってんがポイント」とユニホームを考案した小林礼奈教諭は笑みを浮かべる。高校、大学とチアで野球応援をしていた自身が振りもイチから付けた。
夏の野球応援は日差しで体力も奪われる。もともと競技チアをやっていた部長の鈴木莉子さん(3年)は「体育館でやるのとはまた違って、難しいです」と明かす。応援の方法は1年上の先輩に教わった。しかし、コロナ禍で禁止されていた声出しが今大会から解禁。「いざ、声を出そうとしても本当に出なくて。吹奏楽部や太鼓の音に負けていました」
夏は5試合目。練習から意識し合い、徐々に音に負けないような声出しができつつある。「女子の声も入ればまた違った雰囲気になると思うので、響かせたい」と鈴木さん。この日は一塁側の相洋の応援も圧倒する音で球場を盛り上げた。「前回の湘南戦では相手の圧に負けていたので、今日は負けません」とグラウンド外でも火花が散っていた。
夏の王者・横浜のスタンドにも新しい風が吹いている。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)