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毎朝5時半起床で文武両道 横浜サイエンスフロンティア主将・瀬谷颯亜、3年前の自分へ「ありがとう」

連日熱戦が繰り広げられている第105回全国高校野球選手権・神奈川大会。なかには、文武両道で白球と勉学の2つに青春を注いだ球児もいる。“科学エリート”の育成を目指す新鋭進学校・横浜サイエンスフロンティアのエースで主将の瀬谷颯亜(3年)は、8日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた1回戦、横浜氷取沢に3-16でコールド負けを喫したが、完全燃焼した。

力投した横浜サイエンスフロンティアの瀬谷颯亜主将【写真:中戸川知世】
力投した横浜サイエンスフロンティアの瀬谷颯亜主将【写真:中戸川知世】

第105回全国高校野球選手権・神奈川大会

 連日熱戦が繰り広げられている第105回全国高校野球選手権・神奈川大会。なかには、文武両道で白球と勉学の2つに青春を注いだ球児もいる。“科学エリート”の育成を目指す新鋭進学校・横浜サイエンスフロンティアのエースで主将の瀬谷颯亜(3年)は、8日にサーティーフォー保土ヶ谷で行われた1回戦、横浜氷取沢に3-16でコールド負けを喫したが、完全燃焼した。

 ゲームセットと同時に涙が溢れてきた。「終わってしまったんだな、と……」。先発した瀬谷は2回2/3を投げて5失点で一度は三塁に回り、4回から再び登板。「僕が打たれてまくって、点を取られまくって申し訳ない」。計4回で13失点(自責10)。しかし、三塁からも人一倍大きな声で投手を鼓舞し、主将としての役割を全う。0-16で迎えた5回に3点を返し、最後に意地を見せた。

 横浜サイエンスフロンティアは2008年に創立された県内有数の進学校。公立校ながら“科学エリート”の育成を目指す新たな教育の形で、近年はメディアにも注目される。瀬谷も例に漏れず、学業と野球を両立してきた。5時半起床で、練習は平日3日間、土日はどちらか1日。朝練はなく、授業開始前の30分間と部活から帰宅した22時から勉強する時間を設けた。

 小2から始めた野球。本当は中学で終わりにしようと思った。「コロナで夏の大会がなくて、不完全燃焼だった」。ぶつける場所がなかった熱量が高校でも続ける原動力になった。「先輩後輩、仲がいい。練習の中で話し合って切磋琢磨してきた」と主将として24人の仲間と過ごした日々を振り返る。大学進学後は野球はやらない予定。「完全燃焼できました」と悔いはない。

 野球があったから苦しくも楽しかった高校生活。3年前の自分に言うことがあるなら、この一言だけ。

「野球をやってくれて、ありがとう」

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

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