「めちゃくちゃ速い」先輩と磨いた武器 プロ注目の快足ドリブラー、尚志MF安斎悠人と高1の転機
タイミング良く加速するドリブルは、明らかな脅威だ。尚志高校のMF安斎悠人(3年)は、サッカー高校年代で注目のアタッカーとして存在感を増している。チームは今季、4年ぶりに高校年代最高峰のプレミアリーグに復帰。EASTの第8節を終えた段階で、首位から勝ち点差5の4位につけている。
中学時代はボランチ、高校入学後に磨いたドリブル技術
タイミング良く加速するドリブルは、明らかな脅威だ。尚志高校のMF安斎悠人(3年)は、サッカー高校年代で注目のアタッカーとして存在感を増している。チームは今季、4年ぶりに高校年代最高峰のプレミアリーグに復帰。EASTの第8節を終えた段階で、首位から勝ち点差5の4位につけている。
「自分は昨季も出場させてもらっていた。チームの中心になって引っ張っていければ、プレミアで1位を取れると思っている。3冠(プレミアリーグ、インターハイ、高校選手権)を本気で目指している。(チームの悲願である)全国制覇も絶対したい」と強い意気込みでシーズンに臨んでいる安斎は、主力として活躍。すでに2つのプロクラブに練習参加。夏には、海外クラブへの練習参加の計画も持ち上がっている。
今や攻撃の主軸だが、安斎がアタッカーとして台頭したのは、高校に入学してから。小学生の頃はセンターバック、中学生の頃はボランチで中央でゲームメイクを担った。持ち味のスピードを攻撃に生かすようになったのは、高校1年時にサイドバックで起用されてから。思い切った攻撃参加が光り、2年になるとサイドハーフで起用された。
ドリブルを磨いたのも、高校に入ってから。1学年上でU-16日本代表経験者の高速サイドバック、鈴木大翔(仙台大1年)と仲が良く、練習後に必ず1対1の勝負を行っていたという。安斎は「めちゃくちゃ速いし、全然抜けない。2年の時も、抜けたのなんて2、3回くらいしかないと思う。でも、どうやったら相手が嫌なのか、ほかのドリブラーは何をしてくるのかを大翔くんに聞いて磨いてきた」と、最大の武器を作り上げた自主練習を振り返った。
今では、試合の流れを変えるゴールを生み出すアタッカーを目指している。2年生だった昨冬には、日本代表MF三笘薫(ブライトン)のワールドカップでの活躍を見て「警戒されているなかでも、しっかりと縦に行って結果を出した。自分と全然違う」と刺激を受けていた。
前を向いて仕掛けてこそ生きる選手と自認しているだけに、攻撃の場面には迫力がある。試合の中のワンチャンスが、安斎の関わりによってビッグチャンスに変わる。足下で受けてからのドリブル突破だけでなく、スペースへ抜け出すプレーでも局面を打開する。個で打開する力を持ちながら、周囲との連係でも崩していけるタイプであることや、試合の流れが読める点は、中学時代の中盤での経験が生きているのだろう。