プロ注目、189cmの修徳FWンワディケ 底知れぬ才能、未だフルパワーで動けた感覚がないワケ
身体の成長とともに、見据える世界も大きくなっている。高校サッカーの東京の名門、修徳高校に注目の大型FWがいる。ナイジェリア人の父と、日本人の母を持つ、ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(3年)は、4月に行われた関東大会の東京都予選で2回戦から決勝まで4試合連続で得点を挙げて優勝に貢献した。
ナイジェリア人の父を持つ逸材、約2年ほとんどプレーできない時期を経験
身体の成長とともに、見据える世界も大きくなっている。高校サッカーの東京の名門、修徳高校に注目の大型FWがいる。ナイジェリア人の父と、日本人の母を持つ、ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(3年)は、4月に行われた関東大会の東京都予選で2回戦から決勝まで4試合連続で得点を挙げて優勝に貢献した。
靴のサイズは、28.5センチ。189センチの長身で打点の高いヘディングが最大の武器だが、ボール扱いも器用。前線で起点となるポストプレーや、足下にパスを受けてターンを仕掛けていくプレーも効果的でスケールの大きさを感じさせる。吉田拓也監督も「これからの選手。まだまだ、走れていない。でも、チームが勝てば勝つほど良くなってくると思います」と大きな期待を寄せている。
プロクラブも注目しており、練習にも参加。ンワディケは「普段より2倍くらいスピード感が違った。その中で動き続ける体力が必要。走るスピードではなくて、パス(回し)のスピード。ポストプレーで収めるところまでは通用するけど、もう1回(ボールを)もらう動きが課題」と改善点を感じて帰ってきたが、目標は変わらない。「一番は、高卒でプロ。無理だったら大学でプレーして、できるだけ高いレベルのプロでプレーしたい。(イングランドの)プレミアリーグが好き。将来は海外でプレーしたいです」と高みを目指している。
素早い動きを続ける能力は課題だが、改善の余地は十分にある。自分の身体を十分に動かせるようになってから、まだ多くの時間を経ていないからだ。
FC東京U-15深川に所属していた中学3年のはじめ、別の負傷箇所の診察でMRI検査を受け、すべり症(腰椎のズレにより神経が圧迫され、痛みを伴う)が認められたため、医師からプレーを止められた。高校入学後は、腰の骨をボルトで固定してプレーしたが、可動域が狭く感じられたという。
そして、もう一つ違和感があった。休んでいる間に身長が15センチほど伸びたため、イメージと歩幅が合わなかったのだ。ボルトを抜く手術の後も半年ほどブランクができた。計2年ほど、ほとんどプレーできていない期間があったことになる。その間、体幹強化と筋力トレーニングで身体作りは行ってきたが、規格とパワーを得た身体を動かせるようになって、まだ1年目。本人は「もうちょっと軽く動けるようになる感覚があります」と、まだフルパワーで動かせている感覚を得ていない。それでいて、高校サッカー界で注目を浴びるほどのパフォーマンスを見せているのだから、底が知れない。