慶応を春の王者に導いた「渡邉千之亮様様」 秋はベンチ、冬に覚醒した3番が2発6打点の大暴れ
高校野球の春季神奈川県大会は6日、決勝(横浜スタジアム)で今春センバツに出場した慶応が相洋に11-0で圧倒し、2011年以来の12年ぶり5度目の優勝を飾った。「3番・右翼」で出場した渡邉千之亮(3年)が2ラン2本を放ち、3安打6打点と大暴れ。春だけで5本塁打の絶好調スラッガーは決勝でも強い存在感を放った。
高校野球・春季神奈川県大会決勝
高校野球の春季神奈川県大会は6日、決勝(横浜スタジアム)で今春センバツに出場した慶応が相洋に11-0で圧倒し、2011年以来の12年ぶり5度目の優勝を飾った。「3番・右翼」で出場した渡邉千之亮(3年)が2ラン2本を放ち、3安打6打点と大暴れ。春だけで5本塁打の絶好調スラッガーは決勝でも強い存在感を放った。
絶好調の3番が慶応を春の王者に導いた。初回、渡邊千は甘く入ったスライダーを左翼席に運び、勢いをもたらす先制2ラン。2回に適時打を放つと、4回にはまたも左翼席に2ランを叩き込んだ。ハマスタで完璧なアーチを2本描き、横浜、東海大相模を破ってきた相洋に大勝。観衆1万人が詰めかけたGWに大歓声を浴びた。
高校通算14本塁打に伸ばした背番号7は「2本目は打ってちょっとしてから『行ったかな』と思った。最高でした」と会心の笑み。大車輪の活躍に森林貴彦監督も「渡邉千之亮様様ですよね」と感嘆。「今は伸び盛りで、ほっとけば成長する時期。あまり細かいことは言わず、自分の考えでやらせている」と全幅の信頼を明かした。
関東大会4強でセンバツ切符を掴んだ昨秋はスタメン外だった。「打撃に自信がなくて、今みたいに思い切って打席でフルスイングできなかった」と渡邉千。冬はウェイトトレーニングで下半身を重点的に鍛えた。75キロだった体重を82キロまで増量。ベンチプレスは20キロ、デッドリフトは30キロも最大重量を伸ばした。
「今日の1本目(の本塁打は)ギリギリだったけど、あれは体重を増やしたおかげかな」と笑い、冬に取り組んできた成果を実感。茨城出身でシニア、中学、高校いずれも同じ先輩・柳町達(ソフトバンク)に憧れ、「逆方向に強い打球を打つことが課題。どのコースにも簡単に投げられない打者になりたい」とさらなる成長を描く。
地元開催の関東大会(保土ケ谷)は21日の初戦で木更津総合(千葉2位)と対戦する。「チームの目標は関東大会優勝。でも先を見すぎず、まずは一戦一勝でいきたい」と冷静だ。2季連続甲子園切符がかかる夏の第1シ―ドも決まったが、「ここで傲慢にならず、挑戦の気持ちを忘れずに行きたい」と謙虚さを崩さなかった。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)