日本の高校野球を変えたい 慶応が目指す新しい部活の形、甲子園は「常識を変える第一歩」
第95回センバツ高校野球(3月18日開幕・甲子園)の選考委員会が27日に行われ、記念大会の今年は例年より4校多い出場36校が決定した。昨秋の関東大会4強・慶応(神奈川)は5年ぶり10度目の出場。主将の大村昊澄(そらと)内野手(2年)は「自分たちは日本の高校野球を変えたい思いが強く、一番の目標。神奈川の代表だけじゃなく、日本の高校野球の代表として戦っていきたい」と力強く意気込んだ。
大村昊澄主将「日本の高校野球の代表として戦っていきたい」
第95回センバツ高校野球(3月18日開幕・甲子園)の選考委員会が27日に行われ、記念大会の今年は例年より4校多い出場36校が決定した。昨秋の関東大会4強・慶応(神奈川)は5年ぶり10度目の出場。主将の大村昊澄(そらと)内野手(2年)は「自分たちは日本の高校野球を変えたい思いが強く、一番の目標。神奈川の代表だけじゃなく、日本の高校野球の代表として戦っていきたい」と力強く意気込んだ。
野球部員約70人が見守った発表の瞬間。スクリーンに映し出されたライブ中継で「慶応」の名が呼ばれると、大村主将は小さくガッツポーズし、隣のチームメイトと顔を見合わせて喜んだ。「高校野球の3年間が大人になって、社会に出た時にあってよかったと思う高校野球を作っていきたい。新しい価値観、常識を自分たちが率先して発信していけたら」。令和になって初の聖地で目指す戦いについて語った。
「エンジョイ・ベースボール」の精神が根付き、坊主頭を強制しないなど、高校球界にいち早く変革の風を吹かせてきた慶応。「高校野球の新しい価値観」とは具体的にどのようなものか。森林貴彦監督は「監督が言うことを信じ、それだけをやるのが古い形だとすれば、監督の言うことをあまり信じず、自分で何がいいか決めて試行錯誤していくのが新しい形。一人一人の頭が働いている状況を練習でも試合でも作るというのが、(理想を)言語化した一つの考え」と語る。
新チームになって注力したのは“人間の幅を広くする”取り組み。最初のミーティングで「応援されるチームになろう」と決め、大村主将は「挨拶、礼儀、人としてできることを当たり前にできるように」という意識を徹底した。コロナ禍の制約もありグラウンドでの時間が多く確保できない中、特にメンタル面の強化に努めるなど精神的に大きく成長。秋は激戦区・神奈川で準V、関東大会4強入りを果たした。
1960年と2005年の8強を超えるベスト4入りを目指すセンバツ。大村主将は「常識を変えるための第一歩を自分たちが甲子園の舞台で表現できたら」と同時に高校野球の新しいカタチを体現することも誓った。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)