後半6発を導いたハーフタイムの激論 履正社MF名願斗哉「言い争いになったけど…」
第101回全国高校サッカー選手権は31日、味の素フィールド西が丘で2回戦が行われ、第2試合では履正社(大阪)が盛岡商(岩手)に6-0と快勝。前半無得点からの大量6得点の裏には、川崎フロンターレ加入内定のMF名願斗哉とチームメイトとのハーフタイムでの「言い争い」があった。
前半無得点から一転、盛岡商に後半6ゴールの舞台裏
第101回全国高校サッカー選手権は31日、味の素フィールド西が丘で2回戦が行われ、第2試合では履正社(大阪)が盛岡商(岩手)に6-0と快勝。前半無得点からの大量6得点の裏には、川崎フロンターレ加入内定のMF名願斗哉(3年)とチームメイトとのハーフタイムでの「言い争い」があった。
履正社は序盤から仕掛けにいくも、相手の粘り強い守備で決定機を作れずにいた。ハーフタイムに入り、ロッカールームに向かう通路で履正社イレブンがお互いの意見を主張し合っていた。その中心にいたのが、“ネクスト三笘”とも呼ばれている今大会注目のドリブラー名願。「だったらもっと早くボールよこせよ!」との声が響き渡っていた。
ドリブルを武器にする名願は複数人のマークに遭い、突破しきれずにいた。それをMF森川楓大(3年)が「行けるんやったらもっと行けよ」と発破をかけていた。ロッカールームに戻ると、パスの距離感やタッチの回数について選手たちは話し合っていたという。
すると後半2分、ショートコーナーからのパスを名願が折り返すと、DF西坂斗和(3年)がヘディングで先制点。その6分後には名願の絶妙なタッチから、同じく西坂が2点目のゴールを決めた。その後も履正社はゴールを量産し、6-0の大勝。“生まれ変わった”ハーフタイムを名願は「ちょっと言い合いになったんですけど」と前置きし、「自分ももらう向きも悪かったので反省です。でもそれを言ってくれる森川にも感謝したいです」と振り返った。
1回戦の試合後インタビューで「ドリブルで意識している選手はいますか?」「目標としている選手はいますか?」と“誘導”とも取れる質問を受けていた名願。「三笘選手をリスペクトしていますが、三笘選手の2世になるんじゃなくて、自分は自分という風になっていきたい」とはっきり答えていた。
1月2日の3回戦では佐野日大(栃木)と対戦。芯の強さと意見を受け入れる柔軟性で、履正社の10番がベスト8入りを目指す。
(THE ANSWER編集部・和田 秀太郎 / Shutaro Wada)