花巻東サッカー部が躍進 柱谷哲二TA、大谷翔平ら育てた野球部監督の「情熱」に感服
サッカーの元日本代表主将、柱谷哲二氏がテクニカルアドバイザー(以下、TA)を務める花巻東高校サッカー部が、強化5年目で躍進を見せた。同校はメジャーリーガーの大谷翔平(エンゼルス)らを輩出した野球部が、全国屈指の強豪として有名だが、彼らに刺激を受けたり、学んだりしているというサッカー部も進化を見せている。
東北新人大会で初の4強、元日本代表主将の柱谷哲二氏がTAでサポート
サッカーの元日本代表主将、柱谷哲二氏がテクニカルアドバイザー(以下、TA)を務める花巻東高校サッカー部が、強化5年目で躍進を見せた。同校はメジャーリーガーの大谷翔平(エンゼルス)らを輩出した野球部が、全国屈指の強豪として有名だが、彼らに刺激を受けたり、学んだりしているというサッカー部も進化を見せている。
1月31日に最終日を迎えた東北高校新人サッカー大会で、花巻東は初めて4強入りを果たした。主将を務めるFW作山寛都(2年)は「チームとして1日目より2日目が成長できたし、良い経験になった。(東北大会に出ると)県内にはいない強豪がぞろぞろといるので、県で1番になって全国で戦うことはすごく価値があると思った」と目指す舞台の重みを感じ取っていた。
彼らの目標は、全国初出場という新たな扉を開けることだ。最高学年には、地元で選手育成の実績があるヴェルディサッカースクール岩手の出身者が多い。下級生の頃から出場機会を得ている選手が多く、2022年度は勝負の年になる。ただし、まだ公式戦での実績は乏しく、公式戦で県外の強豪と対戦すること自体が新鮮。その中で少しずつ手応えと自信、そして課題が見えてきた。
1回戦は相手に退場者が出たこともあり、攻撃陣が伸び伸びとプレー。快足FW中村翔大(2年)らのアタックが光った。準決勝は、東北学院高校(宮城県第1代表)に押し込まれる時間が長く苦しんだが、全員守備で対抗。延長後半の失点により0-1で敗れたが、接戦に持ち込んで健闘を見せた。右サイドバックのDF船山智也(2年)は、基礎技術に課題を感じている選手。相手の攻撃力を感じて「最初は、びびっていた(怯んでいた)」と明かしたが、時間の経過とともに1対1で果敢に立ち向かう場面が増え、プレーの成功が自信につながり、次の好プレーにつながる好循環を体現していた。
ベガルタ仙台やサガン鳥栖、東京ヴェルディなどでプレーした元Jリーガーの清水康也監督は「(県外での公式戦は)この子たちにとっては、とてつもなく貴重な時間。1年、2年(練習を)やるより、この3日間のほうがいろいろなことを肌で感じて成長してくれたと思う。これを次に必ずつなげないといけない」と目標意識を高めるきっかけにすることの重要性を説いた。
若者は、感受性が豊かだ。良くも悪くも、感じ取ったことをすぐ行動に反映することで、大きな学びを得る。だからこそ清水監督は「もっとできるんだと示してほしい。喜怒哀楽をあまり表現しないところがある。涙を流すことも、大きな声で主張することも、恥ずかしいことじゃない。戦えない、(自分から行動を)やらないほうが恥ずかしい。1人でも目標を持って、そこに頑張るのが格好良いと伝えている」と熱っぽく語った。