流経大柏、新体制で3年ぶり全国へ 市立船橋との名門対決で見せた“新スタイル”とは
決勝で「一段進化した流経」を見せられたと指揮官は評価
後半は、市立船橋がカウンターで強襲。途中出場のMF丸山侑吾(2年)がドリブル突破を仕掛けるなど、少しずつ速攻に中盤の押し上げを加えて連係攻撃も見られるようになった。後半24分には、郡司が巧みなフリックパスで相手の守備網を破ったが、走り込んだ丸山がオフサイド。結局、流経大柏が伝統のプレッシングを貫徹して市立船橋の後半のシュートをゼロに抑えた。
一方でアディショナルタイムには、左サイドでボールを受けたMF松本が、コーナー際でキープを狙うと見せかけ、意表を突いてタッチライン際からエンドライン際へと突破を仕掛け、ポストを叩く惜しいシュートを放って会場をどよめかせた。
流経大柏にとっては、新体制で初めて選手権の全国大会出場となる。榎本監督は「今までのやり方を踏襲する方法もあるけど、新しい流経、一段進化した流経を作っていきたいと思ってやってきた。難しい状況になった時に逃げればいいというマインドになってほしくない。そういう時こそ何か工夫できないか、努力できる人間になってほしい。それを突き詰めて問いかけて、彼らがチャレンジしてきた」と新体制での取り組みの成果が見られた試合内容を評価した。
中盤で互角のボールを完全なマイボールにすることを意識していたと話し、ニュースタイルを率先して体現した渋谷は「本当に千葉で一番強いのは自分たちだと意識してきた。それをプレーで示せたと思う。目標は日本一。イチフナの分も全部勝って、優勝旗を持って帰りたい」と次のステージを見据えて意気込みを語った。
新しい体制で、新しい歴史を作れるか。第100回の記念大会に、ニュースタイルで挑む流経大柏が覇権を狙う。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)