金メダル平野歩夢「ここを獲らずに終われない」 2本目低採点の「怒り」ぶつけた大逆転V
北京五輪は11日、スノーボードの男子ハーフパイプ決勝が行われ、冬季五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(TOKIOインカラミ)が96.00点を記録し、日本スノーボード史上初の金メダルを獲得した。超大技「トリプルコーク1440」にも五輪史上初めて成功。2回目を終えて2位だったが、最後に逆転で悲願の金を掴んだ。銀メダルはスコット・ジェームズ(オーストラリア)、銅メダルはヤン・シェレル(スイス)。
北京五輪・スノーボード男子ハーフパイプ
北京五輪は11日、スノーボードの男子ハーフパイプ決勝が行われ、冬季五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(TOKIOインカラミ)が96.00点を記録し、日本スノーボード史上初の金メダルを獲得した。超大技「トリプルコーク1440」にも五輪史上初めて成功。2回目を終えて2位だったが、最後に逆転で悲願の金を掴んだ。銀メダルはスコット・ジェームズ(オーストラリア)、銅メダルはヤン・シェレル(スイス)。
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1回目で4回転の中に縦3回転を入れる「トリプルコーク1440」に五輪史上初めて成功。しかし、最後のエアで着地に失敗。得点は33.75だった。2回目は史上最高難度のルーティンに成功。「トリプルコーク1440」をはじめ、1440を3度も入れた。しかし得点は予想外に伸びず91.75点。この時点でオーストラリアのジェームズに次いで2位だった。
3回目、高さ5.5メートルのエアで「トリプルコーク1440」を決めるなど再び完璧な試技を披露。96.00点をマークし、ジェームズを逆転して金メダルを獲得した。表彰式後のインタビューで「まだ実感があまりない。ようやく小さいころの夢が一つ叶ったなと。ここを獲らずに終われないというところを、ずっとやってきたことが出し切れた」と落ち着いた様子で振り返った。
歩夢の弟・海祝は9位だった。「兄弟で出場でき、その場に立てたのはお互いにとっても凄くよかったし、自分自身の気持ちとしても、やりたかったことを最後の最後に出し切れた」と兄弟出場を喜んだ。
2本目はまさかの得点に終わった。「点数は納得いっていなかったけど、怒りが自分の中でうまく表現できたというか。そんな気持ち。良かったです」と力に変えた。3本目は「緊張とかではなく、いつもとはまた違う気持ちというか。思い切って、全て出し切る気持ちがかなり入っていた。それがうまくクリーンに、完璧に決められたのは良かった」と話した。
平昌では金メダルを獲得するなど、五輪3度制覇のショーン・ホワイトは4位。今大会を最後に競技からの引退を表明している。平野は「ショーンも相変わらず、ずっとチャレンジし続けていて、最年長。そういう姿、僕にはまだ経験できないことを見せてくれていると刺激になる」と労った。
最後は「家族、身近にいる人たち、応援してくれる人たちがあっての自分だと思う。本当に自分の納得いく滑りが、少しでも届いたんじゃないかなと。何か刺激になってもらえたらそれ以上はないかなと思う」と願った。
平野は2014年ソチ、18年平昌と2大会連続で銀メダルを獲得。21年東京五輪にはスケートボードで出場し“二刀流”として話題になった。8月5日のパーク予選で14位に終わってから、この日で僅か190日だった。
(THE ANSWER編集部)