高梨沙羅、強力ライバルにどう立ち向かう? 北京五輪金メダル獲得への道筋
ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)が11月30日、合同のオンライン会見に応じ、ロシアでのワールドカップ(W杯)開幕戦を振り返った。
オンライン会見で決意「自分の中で感覚はいい状態を保っていられている」
ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)が11月30日、合同のオンライン会見に応じ、ロシアでのワールドカップ(W杯)開幕戦を振り返った。
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来年2月に行われる北京五輪の前哨戦となるW杯は2戦が終わり、6位、5位の成績。第3戦に向け、滞在中のノルウェーからオンライン会見に登場した高梨は、「問題点はしっかり見えつつも、自分の中で感覚はいい状態を保っていられている」と現状を明かした。
年々、レベルが上がっている女子ジャンプ。2018年平昌五輪金メダルのマーレン・ルンビ(ノルウェー)は五輪出場を断念したものの、ライバルはひしめく。
中でも20歳のマリタ・クラマー(オーストリア)は開幕戦でW杯のジャンプ台記録を更新して優勝。昨季7勝を挙げ、一躍金メダル候補に名乗り出た。
クラマーの強さの秘訣はどこにあるのか。
代表チームを束ねる横川朝治ヘッドコーチは「身長と足の長さを生かした高いフライトを取れる選手。非常にシンプルなジャンプで、風の強さとか風の乱れとか、いろんな悪影響に強い」と分析する。高梨も「全体的な流れももちろん上手」と印象を語った。
ただ、悲観はしていない。
横川氏は「それは彼女の持ち味であって、ウチ(日本)の選手はフライトは高くないですけど、いつまでも下で落ちないのが持ち味。自分たちの持ち味を生かすジャンプを続けることがいい成績につながる」と見ている。
象徴的だったのは開幕戦だ。風が目まぐるしく変わる条件下で、長所を生かしたのがクラマー、逆に持ち味を出し切れなかったのが高梨だった。高梨のような小柄な選手は風の影響を特に受けやすい。
「多少ミスはあるんですけど、本来の高梨選手のジャンプはもう少し下で伸びて来るんですけど、実際に吹いている風が上だけ向かい風で、下は(不利な)バックの風。思った以上に、いいジャンプの割には伸びなかった」と横川氏は指摘した。
練習では本来のジャンプを披露しており、「トレーニングの時に非常に低いゲートで、もっといいジャンプが出ていた。十分修正できる」と巻き返しに期待を込めた。
次戦のW杯は4、5日にリレハンメルで行われる。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染拡大により、世界的に緊張が高まっている。高梨ら女子代表はノルウェーで3日間の隔離に突入。ただ、ランニングなどのトレーニングは自由に行うことができ、調整への影響は最小限に抑えられそうだ。
高梨にとって五輪金メダルは悲願。4年前の悔しさを晴らす舞台が近づいている。
(THE ANSWER編集部)