大坂なおみよ「大胆なおみ」になれ 全米連覇へ、松岡修造が説く“復活の特効薬”
全米ならではのカギは「エンターテインメントエネルギー」
「彼女を見ていると本当に、テニスが好きなんだと感じます。彼女が世界中に勇気を与えられるいろんなメッセージがある。それをみんなに発信したいんだと思います。ただ、彼女がもう一度、世界一になり、かつてのようにずっとグランドスラムを勝ち続ける選手かというと、そこまでは難しいと思います。絶対女王として、彼女の次に君臨し続けられる選手はそ誰かと聞かれたら、大坂なおみ以外に僕はいないと思っている。日本人だからとか関係ありません。それだけの実力を彼女は持っています」
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一方で「ただ、一人だけ……」と名前を挙げたのが、米国の15歳コリ・ガウフだ。ウィンブルドンは予選から出場し、元世界女王ビーナス・ウィリアムズ(米国)らを破り、4回戦進出。世界に大きなインパクトをもたらした。「彼女はこれからやってきますよ。テニスはもちろん、メンタルも思ったよりタフ。彼女は間違いなく、セリーナのようになっていく。別格なんです」と期待を込めた。
大坂は連覇を、セリーナは復権を、その他の選手たちは新時代の覇権を目指し、しのぎを削る全米オープン。1月の全豪、5月の全仏、7月のウィンブルドンと続き、今年グランドスラム最後となる全米オープン。選手たちにとってはどんな思いをもって臨むのか。
「今年最後のグランドスラムなので、選手たちはそれぞれすべてを懸けて戦いに挑んできます。ツアーも後半戦に入り、どの選手もちょうど体力的にもメンタル的にもキツイ時期です。だからこそ、どの選手にとっても体力的にも過酷な試合であることは間違いない。もう一つはナイトセッションもあり、全米ならではお祭り感覚の会場の雰囲気と全米ならではの勢いのいい観客のみなさんから出てくるエンターテインメントエネルギーを、どう自分に注入していくかもポイントの一つ。
なおみさんは昨年、間違いなくこのエネルギーを自身に注入しました。セリーナは間違いなく、優勝しか狙っていない。『私が女王なのよ』と伝えるためにやってくる勢いがあるでしょう。先日のロジャーズ・カップ準々決勝でなおみさんと対戦した時も、セリーナの気迫は凄かったです。隙がゼロですよ。テニスがどうこうというより、最初にコートに立った時のメンタルが全然、違った。米国だからこその面白さはあります。他のグランドスラムでは感じられないところじゃないでしょうか」
体力が最もすり減った状況で、独特のお祭りムードを力に変え、テニスに生かせるか。そんな要素も全米女王を目指す上では必要になってくる。近未来の女子テニス界を占う上でも、26日に幕を開ける全米オープンは絶対に見逃せない戦いとなる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
◆全米オープンテニスWOWOWで連日独占生中継 26日に開幕する全米オープンテニスは9月9日の決勝まで連日、WOWOWで独占生中継される。大会第1日は無料で視聴できる。