なでしこ、勝ち点1に見たW杯過去2大会との差 永里亜紗乃「リアリティが足りない」
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)は10日、1次リーグD組で日本(FIFAランク7位)はアルゼンチン(同37位)と0-0の引き分け。勝ち点3が欲しかった初戦で“格下”相手に勝ち点1にとどまった。前回準Vメンバーで現地観戦している解説者・永里亜紗乃さんはこの試合をどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってもらった。
なぜ、ゴールが遠かった? “格下”相手に勝ち点1に終わったなでしこの課題
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)は10日、1次リーグD組で日本(FIFAランク7位)はアルゼンチン(同37位)と0-0の引き分け。勝ち点3が欲しかった初戦で“格下”相手に勝ち点1にとどまった。前回準Vメンバーで現地観戦している解説者・永里亜紗乃さんはこの試合をどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってもらった。
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試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、両チームは対照的なリアクションで戦いを終えました。
その後、アルゼンチンの選手たちはロッカールームで唄を歌い、まるで優勝したかのような大騒ぎでした。結果はスコアレスドローでの引き分けですが、チャレンジャーの立場として臨んだアルゼンチンからすると、この結果は歴史に残る快挙なのでしょう。W杯という大舞台で日本から勝ち点1を“勝ち取った”のですから。
前日に行われた公式会見でアルゼンチンのボレッロ監督が「日本が格上なのは間違いない。明日は自分たちができることをやるだけ」と話していた通り、守備に軸足を置いた戦いで臨んできました。特に前半はとにかく自陣に引いて守りを固め、マイボールになっても攻める姿勢をあまり見せない。「堅守速攻」ではなく「堅守」のみを貫いてきました。中途半端に攻めて失点のリスクを高めるのではなく、自分のポジションを離れないことが約束事としてあったのかもしれません。とにかく失点しないことだけを考えてプレーしているアルゼンチンは、チームとして統制がとれていました。
現在のなでしこジャパンは優勝した前々回大会や準優勝した前回大会ほど成績を残しているチームではありませんが、それでも女子サッカーにおいては世界中から一目置かれる存在です。したがって格下のチームが割り切った戦い方をしてくることも多い。戦術的には、高い位置から激しくプレスをかけてくるか、あるいは引いて自陣を固めるかの二者択一。今回、アルゼンチンは後者を選び、見事に実行しました。