3戦全敗に終わった男子バスケ日本の誤算 期待の2人が3P不発「使えなかったのか使わなかったのか」【渡邉拓馬の目】
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
「シン・オリンピックのミカタ」#46 男子バスケットボール解説・渡邉拓馬
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
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大会期間中、各競技のスペシャリストによる試合解説を随時展開する。今回は男子バスケットボール。1次リーグB組最終戦が2日に行われ、世界ランク26位の日本は同12位のブラジルに84-102で敗れ、3戦全敗で敗退が決まった。この試合とともにパリ五輪を元日本代表・渡邉拓馬氏が総括。八村塁が負傷離脱した影響を指摘した一方で、3試合で「誤算」だった2人の不調も挙げた。「五輪でここまで戦えたことは自信にするべき」と次回大会への期待も込めた。(構成=藤井 雅彦)
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日本男子バスケットのパリ五輪が終わってしまいました。「終わってしまった」と表現したのは、このチームをもう少し見たい、一緒に戦いたい、という気持ちがあったからです。でも僕は彼らに感謝を伝えたい。これまで日本のバスケットを作ってきた方々の想いを背負って立派にプレーしてくれたのですから。本当に誇らしい戦いぶりでした。
同じ3戦全敗でも前回大会の東京五輪と違い、3試合すべてに内容がありました。勝利が目前に迫ったフランス戦を筆頭に、手ごたえもありました。だからこそ比例して悔しさも大きくなる。昨年のW杯を経て、ファンや国民からの期待は膨らんでいたはず。結果で応えることはできませんでしたが、希望をしっかりと感じ取ることのできる惜敗ばかりです。
ブラジル戦前に八村塁選手が負傷でチームを離脱することが決まり、彼の不在は戦い方に少なからず影響を与えたはず。スターティング5のうちの1人が欠けるのは大きなダメージですし、これまでの2試合を見ても間違いなくメインキャストの1人でした。個人で打開できる数少ないプレーヤーで得点力も兼ね備え、いるだけで存在感のある選手。おそらく相手に与える圧力も大きく違うプレーヤーです。
怪我の程度や状況について詳しいことは分かりませんが、所属するチームとの兼ね合いやNBAの規定もある。彼自身も日本チームも判断できないところがあったはずで、仕方のない決定だったのでしょう。志半ばでチームを離れなければならなくなった無念は察するに余りあります。
それでも日本は八村選手が合流する以前からチーム作りを進めていました。チームオフェンスやチームディフェンスに関しては彼抜きで構成していた時間の方が長かったですし、実際に戦い方と気持ちの切り替えはスムーズにできていたと思います。怪我や病気、出場停止もスポーツの一部。こういったアクシデントも想定してチームを作っていたと思うので、選手たちが八村ロスを引きずっている様子はありませんでした。