よもやの完敗、女子バレー日本の誤算と「1」の重圧 陥った悪循環「古賀を使うしかない状況に」【江畑幸子の目】
ブラジルの積極的サーブで古賀にトス集中、リードされて日本のサーブが消極的になる悪循環
試合前、選手たちの表情は硬かったですね。いつもとは違う。バレーボールを楽しめている感じもしませんでした。精神的に追い込まれて臨んだブラジル戦。さらに、常に先行されて気持ちに余裕もなくなりました。これでは、試合を楽しむことなど難しいですね。
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リードした相手は攻撃的なサーブを思い切り打ってきました。セッターに正確なボールを返すことが難しくなり、結果としてエースの古賀選手にトスを集中させるしかない状況になりました。逆に、リードを許すと「これ以上離されてはいけない」とサーブが消極的になり、相手に自由な攻撃を許してしまいます。
もちろん、良かった点もあります。3セット目の出だしは古賀選手の巧みなスパイクが効いて互角に戦えました。2セット目の井上選手のバックアタックも素晴らしかった。個々に好プレーはありましたが、それが続かない。最後まで、日本のリズムにはなりませんでした。
ブラジルがマッチポイントでタイムアウトをとりました。まだ点差もあったし、珍しいことですが、それだけ日本は認められているということです。「最後まであきらめない」日本の怖さを知るからこそ、6点の差があっても「確実に1点とる」ことを伝えたのです。
2連敗で、1次リーグの残りはケニア戦だけ。決勝トーナメント進出は厳しい状況ですが、最後まであきらめずに戦ってほしい。そして、楽しんでほしい。日本の女子バレーボールの魅力を、たくさん伝えてほしいと思います。
(THE ANSWER編集部)