日本が悪魔のカウンターに沈んだ理由 リトバルスキー「日本はそれができなかった」
対マラドーナ、メッシに共通する「相手選手の敬意」
「ファウルで相手を止める。これを教えることは簡単ではありません。ポイントは2つある。まずは状況を即座に把握する。そして、ファウルを犯す勇気を持つ。思い出してください。1986年のW杯でマラドーナがイングランド戦で5人抜きゴールを決めた。彼は偉大なゴールを決めました。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
しかし、誰もマラドーナにファウルをしたがらなかった。なぜなら世界最高の選手に対するリスペクトがあるから。イングランドの選手にはドイツ人やクロアチア人以上に相手選手に対する尊敬というものがある。これはお国柄であるし、伝統とも呼べるでしょう。日本も同じです」
マラドーナの伝説の5人抜き弾が生まれた背景には、ファウルに対するためらいが存在する紳士の国、イングランドが相手だったという側面もあったと独自の視点で分析した。
現役時代にJリーグのJEFユナイテッド市原(現ジェフ千葉)でプレーし、アビスパ福岡で監督経験もある。日本語も堪能なリトバルスキー氏。日本に対戦相手へのリスペクトという文化が浸透していることはよく理解している。
「今でいうとメッシも同じです。誰も積極的にファウルをしたがらない。世界最高の選手という認識が対戦相手にもある。日本にとってのデブライネもそうだったのかもしれない」
マンチェスター・シティで昨季リーグ最多の17アシストを記録したデブライネ。カウンターを生み出したプレーをファウルで止められなかった背景には、名手に対する「敬意」という部分も影響したとみている。
一方でベルギーの戦い方にも、日本に対する「リスペクト」を感じる部分があったという。