格下韓国に勝ち切れないなでしこに危機感 永里亜紗乃「目指しているのはアジア杯3連覇?」
自分の良さを発揮した植木理子「集中力の高さを体現した」
そんななかで自分の良さを発揮したのが、先制点を挙げた植木理子選手です。試合開始32秒という電光石火の得点でチームをラクにしてくれましたし、チームとして相手のミスや隙を見逃さない集中力の高さを体現していました。
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最終ラインを突破してGKと1対1になった植木選手は、しっかりと足を振り抜いてシュートを決めていました。最近は前線で起点になるプレーや周囲と の連係などオールラウンドに能力を高めてきた選手ですが、もともとはゴリゴリタイプのストライカー。そんな彼女の本性がゴールシーンの足の振りに表れていたように感じます。
その植木選手と縦関係でコンビを組んだのが長谷川唯選手でした。池田太監督は2トップがあまり効果を発揮しなかった過去2戦を振り返ってシステムを変えたのかもしれません。それに長谷川選手の良さが出るのは中央でプレーした場面なので、新しい試みにも注目していました。
ですが、彼女はこの日の内容を消化不良に感じているはず。前述したように韓国は5バックで引いて守ってきました。相手の背後を狙うプレースタイルではない長谷川選手との相性は悪く、どうしてもディフェンスラインの前でプレーしたがってしまう場面も多かった。もし中央に置くのであればもっとボールを触らなければ効果がありませんし、チームとしても彼女をどのように生かすのかをもっと具体的に考える必要があります。
いろいろなところに顔を出せるタイプで、そのための運動量もある選手です。だからといってなんとなくパスを預けるだけでは、相手も狙いを絞りやすくなってしまう。長谷川選手自身も、今はボールを受けられない、というジェスチャーを織り交ぜるなど工夫が必要かもしれません。
そういった場面に象徴されるように、パススピードの遅さと数センチ単位でのズレはこの試合でも目につきました。中2日での3連戦目ということで疲れもあったと思いますが、だからこそ意識しなければいけない。これは外からずっと言い続けなければいけない日本最大の課題だと思います。