格下韓国に勝ち切れないなでしこに危機感 永里亜紗乃「目指しているのはアジア杯3連覇?」
インドで行われている2022 AFC女子アジアカップに参戦しているサッカー女子日本代表が27日に韓国とのグループ最終戦を迎え、1-1と引き分けた。この結果、なでしこジャパンはアジアカップを2勝1分けで終え、首位でのグループリーグ突破を決めた。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんは、韓国戦をどう見たのか、解説してもらった。(構成=藤井 雅彦)
得点場面を除いてチャンスらしいチャンスがなかったなでしこジャパン
インドで行われている2022 AFC女子アジアカップに参戦しているサッカー女子日本代表が27日に韓国とのグループ最終戦を迎え、1-1と引き分けた。この結果、なでしこジャパンはアジアカップを2勝1分けで終え、首位でのグループリーグ突破を決めた。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんは、韓国戦をどう見たのか、解説してもらった。(構成=藤井 雅彦)
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日本は格下相手に勝ち切ることができませんでした。ほぼフルメンバーで、韓国戦に臨んだにもかかわらず、です。韓国はこれまでに戦ったミャンマーやベトナムと比べれば、確かに力が上のチームですが、日本とは実力、実績ともに比べるべくもありません。
得点場面を除いてチャンスらしいチャンスもなく、終盤に与えたセットプレーでミスから失点。目指しているのはアジアカップ3連覇ですよね? このパフォーマンスで果たしてオーストラリアに勝てるのか、と不安を抱きました。
韓国は日本と戦うための戦略を用意し、高い位置からのプレスを仕掛けてきませんでした。特に前半は5バックを中心に引いて守る形で、おそらく0-0で後半勝負に持ち込むというゲームプランだったのでしょう。力が劣ることを認めた上で、日本に勝つための知恵を絞ってきました。
それに対して日本はポゼッションして相手陣内へ運ぶまでは良いのですが、プレッシャーを受けるエリアに入ってからは簡単にボールを下げるプレーが目立ちました。原因は全体的にちょっとした準備が足りていないからです。1メートル、いや50センチの動きがないからプレッシャーを受けてしまう。背後を狙うランニングも少なく、ボールに関わらない場所での動きが少なすぎた印象です。
守備に切り替わった際に、相手の攻撃を遅らせることはできていたと思います。ですが、相手が一度落ち着いた状態からボールを動かし始めると、日本は守備の狙いが曖昧になるシーンが増えました。
“奪い切る”をテーマに掲げているのであれば、そのための準備や用意が欠かせません。前線の選手がコースを限定し、中盤の選手が連動し、最終ラインを押し上げてコンパクトにする。そして最終的にどこで奪いたいのかを明確にする必要があります。ボランチのエリアで奪いたいのか、サイドバックで奪いたいのか。おざなりにしてはいけない課題だと思います。