「なぜこんなに余裕がない?」 アジア杯連勝のなでしこ、永里亜紗乃が指摘する違和感
初戦で気になっていたポイントは修正されたのか
初戦で気になったポイントを少し見ていきたいと思いますが、まずFWの組み合わせのところで言えば、初戦のミャンマー戦では植木理子選手と田中美南選手という似たタイプの2人がコンビを組みました。第2戦では菅澤優衣香選手と田中美南選手が2トップを務め、組み合わせの問題かなと思っていたのですが、違いましたね。個人の問題でした。
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誰が出ても、どのコンビを組んでも、お互いがお互いをあまりにも意識しなさ過ぎて、FW2枚だけで崩すシーンがあってもいいはずなのに見られなかった。どっちかが下りて、どっちかが相手の裏を取るでもいいんです。そういった単純な動き一つで相手の逆を突けるのに、それが出てこないことが問題だなと感じました。
2試合連続先発起用だった田中美南選手に関しては、本当に点を取りたいんだったら、中を見る余裕がないと逆に点は取れないと思います。今はゴールしか見ていないので、相手も「シュートに来る!」と感じてゴール前を固められてしまう。それだと点は入らない。
角度のないところからも強引にシュートを放っていましたし、その選択は間違っていないんですけど、もう一つ選択肢があるよ、と相手に見せないとゴールを決めることは難しいんじゃないかなと思うんです。そこが余裕のなさなのかなあと。だからより周りを意識することが大事だと思います。
何より、田中美南選手には期待しています。だから惜しいんです。もうちょっと周りとコミュニケーションを取って、周りをうまく使えるようになると、ゴールを量産することができると思います。どうしても自分が決めなきゃ、自分でやらなきゃという思いが強すぎて、ちょっと空回りしちゃっているのかな。そこが本当にもったいないと感じています。だからまずは2トップの相方のことを意識するところからはじめてほしいなと思っています。
2戦目で気になった選手は、右サイドに入った成宮唯選手です。初戦に続き、2戦目でも2ゴールを決めて、すべてセットプレーのこぼれではありましたが、何よりそこに詰めていることが大事です。動き出しもいいですし、裏に長い距離を走ったり、味方のためになる動きができていたり、コンスタントにやれているので良かったと感じました。