決勝を裁いた馬寧主審を中国メディアは擁護・支持

　サッカーのアジアカップ・カタール大会は10日（日本時間11日）に決勝が行われ、開催国カタールが3-1でヨルダンを下し、2019年大会に続く連覇を達成した。しかし、カタールの得点はすべてPKによるもので、なかには微妙な判定も。一部では開催国びいきと見る向きもあるが、試合を裁いた主審の母国・中国メディアは「この3つのPKはいずれも比較的妥当なものである」と擁護し、判定を支持している。

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　カタールが2-1とリードして迎えた後半AT。自陣から出たロングボールを味方がヘディングで繋ぎ、これにタイミング良く飛び出したアフィフがゴール前へ。1対1となった相手GKに倒された。判定はオフサイドで、相手のボールで再開となりかけたが、VARが介入。国際実況も「これは非常に際どい。Ohhhhh…」と漏らすほど微妙なシーンだった。馬寧主審がオンフィールドレビューで確認し、この日3度目のPKに。結果的のこれがカタールのダメ押し点となり、連覇を決定づけた。

　中国メディア「澎湃新聞」は「アジアカップ決勝でPK判定3度。中国人主審・馬寧の審判さばきは肯定的に受け止められる」との見出しで報道。審判団がVARだったことに言及し、「馬寧がホスト国であるカタールにPKを3回も与えたことは一見、やややりすぎの印象を与えるが、この3つのPKはいずれも比較的妥当なものであり、全体的に見て、馬寧の判定はSNSでも比較的肯定的に受け止められている」と支持した。

　記事内では、「南方日報」が「一つの試合で主催国がPKを3つ獲得したと聞けば、主催国がひいき目に見られていたのではないかと感じがちだが、VARの再生を見ると、馬寧の判定は基本的に正確で誤りのないものであって、彼の『ゴールデンホイッスル』としての力と価値を体現するものであった」と他のメディアも評価した部分を引用し、「これが代表的な見方であろう」と見解を示した。

「一つの試合で同じチームにPKを与えるのは、ある程度勇気の要ることである」と難しい判定も毅然と下したことに言及。「中国サッカーが低迷する中、アジアカップ決勝で初めて審判を務めた中国人審判団の活躍は中国にとって明るいニュースだったと言うことができるだろう」と前向きに記し、試合後の表彰式では今大会の審判を代表して表彰台に上がり、観客から拍手を送られたことも伝えている。

　また、馬寧氏本人は試合後、自身のSNSで「すべての人に感謝しています。何世代もの人々の努力を経て、私たちは幸いにも中国のサッカーの審判を代表してこの小さな目標をかなえることができました！　経験から学んで更に向上し、ともに努力して前に進んで、より高い目標を目指して頑張ります！」と感謝を示したという。