芸術的なFKで決勝点を叩き出したエースは、その後がすばらしかった

　日本代表も参加しているサッカーのアジアカップは2日（日本時間3日未明）に準々決勝を行い、64年ぶりの優勝を目指す韓国が2-1で豪州を下し準決勝へ進出した。0-1で迎えた後半アディショナルタイム（AT）に追いつき、延長戦で勝ちきるという劇的な展開。芸術的なFKで決勝点を叩き出したソン・フンミン（英トッテナム）について、韓国メディアは「品格」という言葉を用いてピッチ内外の行動を絶賛している。

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　試合は韓国が1点を追う後半ATに、ソン・フンミンがPKを獲得。これをファン・ヒチャンが決めて延長戦に突入した。さらに延長前半14分には、ソン・フンミンが大きく曲がり落ちる芸術的な軌道のFKを決め、決勝点とした。

　ただそれに負けないほど注目されているのが、気遣いや目配りといった部分だ。韓国の専門メディア「フォーフォーツー」が「これこそキャプテンの品格…プレーできない同僚や相手チームまで称える」という記事で取り上げている。

　記事によると、試合後の記者会見に呼ばれたソン・フンミンはこの大熱戦を「難しい試合だった。試合運びについては完璧に満足してはいないが、結果を持ち帰るのが重要だ。準決勝進出といういい結果を得られてうれしい。最終目標を叶えるために、次の試合ではもっと優れた姿をお見せするようにする」と振り返った。

　さらに会見の最後に「1つ申し上げたい」として自ら口を開くと「試合でプレーした選手に多くのスポットライトが当たり、多くの関心を集めています。しかし今日ほどの試合では、プレーできずにベンチにいる選手にも関心を持っていただければありがたい」と続けた。チーム全体で戦っているのだと、改めて言葉にして報道陣に伝えた。

　さらに「試合終了直後も同じだった」という。ソン・フンミンは、韓国代表の同僚と勝利を喜び合う中でも、激戦を共にした豪州代表の選手たちと抱き合い、握手を交わして健闘をたたえたのだという。記事は「ソンフンミンは実力はもちろん、人間性まで完璧な選手だった」と大絶賛している。