PK戦でサウジを下した直後、ソン・フンミンはまず相手選手を称えた

　日本代表も参加しているサッカーのアジアカップは30日（日本時間31日）、決勝トーナメントの1回戦を行い、64年ぶりの優勝を目指す韓国代表はサウジアラビアを下して8強に進出した。0-1で後半アディショナルタイムに突入、終了間際に劇的な同点ゴールが飛び出し、PK戦は4-2で勝ちをもぎ取った。選手たちが熱狂する試合直後、エースのソン・フンミン（トッテナム）が見せた紳士的な振る舞いを韓国紙が称賛している。

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　韓国メディア「OSEN」はこの試合中、サウジアラビアの選手が「常識外れ」の行動を繰り広げたと報じている。記事は「勝負とは別に、眉をひそめる場面があった。サウジアラビアのセンターバック、アリ・アル・ブライヒが見せた最悪の非マナー行動だ」としている。

　延長前半6分、韓国のコーナーキックの直前にアル・ブライヒは、韓国のファン・ヒチャン（ウルヴァーハンプトン）の首を殴った。ファン・ヒチャンは後ろに倒れ、ピッチに横たわったが審判からカードが出ることはなかった。そして「審判に抗議するソン・フンミンを突然叩き、髪を左手で握って持ち上げるに及んだ」のだという。

　記事は「韓国の主将、ソン・フンミンはアル・ブライヒとは違った」と、その後の冷静な対処を称えている。もちろんグループリーグのバーレーン戦で警告を受けており、ここでカードを受けると累積で準々決勝進出が不可能になるという状況ではあった。

　記事が驚くのはここからだ。「ソン・フンミンは試合が終わった後も、主将の品格とは何かを見せつけた」と称えるのは、PK戦で勝利したあと、自分を押さえつけてきたアル・ブライヒをまず抱きしめて健闘を称えたのだ。「実力でもマナーでも圧勝を収めた」とその行動を絶賛している。

　また韓国の専門メディア「FOOTBALLIST」も「ソン・フンミンは勝利が確定したあと、同僚と喜ぶ前にサウジアラビアの選手たちを慰めた。代表チームの主将であり、スーパースターの品格が感じられる行動だった」と伝えている。影響力はすさまじく、イ・ガンイン（パリ・サンジェルマン）らもその後に続いたという。