日本劇勝の裏にいつもいた「神懸かりGK」 反日感情渦巻く環境でも…窮地で輝いた川口能活の気迫
1956年に創設され、今回で18回目を迎えるサッカーAFCアジアカップも16強が出揃った。アジアの頂点を懸けた戦いではこれまで数々の事件、感動シーンも見られた。2000年レバノン大会、2004年中国大会、2007年東南アジア大会と3大会にわたり、GK川口能活は日本代表の守護神として君臨。2度の優勝の立役者になったことはもちろん、3人の名将の下で見せた格別の勝負強さに迫った。
アジアカップで起こった感動シーンを振り返る
1956年に創設され、今回で18回目を迎えるサッカーAFCアジアカップも16強が出揃った。アジアの頂点を懸けた戦いではこれまで数々の事件、感動シーンも見られた。2000年レバノン大会、2004年中国大会、2007年東南アジア大会と3大会にわたり、GK川口能活は日本代表の守護神として君臨。2度の優勝の立役者になったことはもちろん、3人の名将の下で見せた格別の勝負強さに迫った。
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劇勝の裏にはいつも川口がいた。フィリップ・トルシエ監督がチームを率いた2000年10月のレバノン大会。それまで重宝されていた楢崎正剛が直前のシドニー五輪で骨折してしまったことで、川口に出番が回ってきた。チームはグループリーグから快勝の連続だったが、準決勝までの出場4試合ではいずれも失点。だが決勝のサウジアラビア戦では気迫あふれるプレーでチームを鼓舞した。
前半9分にPKを与えてしまうが、蹴る前の駆け引きで相手を揺さぶりミスを誘発。大ピンチを逃れた日本は同29分に望月重良のゴールで先制すると、そこから川口のプレーに磨きがかかった。後半はサウジアラビアが攻め続ける展開となったが、好セーブで相手に得点を許さない。後半41分には手前でワンバウンドする難しいシュートを右手一本ではじき出し、まさに鬼の形相。この大会、チーム初の完封勝利で優勝に貢献した。
2004年中国大会ではさらなる「神懸りセーブ」を見せた。語り草となっている準々決勝ヨルダン戦では途中でPK戦のエンドが変更になるという前代未聞の出来事の中で集中力を研ぎ澄ませ、2本のビッグセーブと相手のミスも誘って大逆転勝利。当時はアンフェアな反日感情が渦巻く過酷な環境で、ブラジル人のジーコ監督でさえ「納得できない」と漏らしたほど。川口はそれでも自身のスタイルを貫き、連覇の立役者となった。
イビチャ・オシム監督とともに挑んだ2007年東南アジア共同開催でも、ゴールマウスには川口の姿があった。最大の見せ場は準々決勝オーストラリア戦。1-1のまま120分戦って決着がつかず、迎えたPK戦ではいきなり2人を連続ストップ。流れをつかんだ日本は5人目の中澤佑二が決めて勝利をつかんだ。
準決勝でサウジアラビアに敗れて3連覇の望みが絶たれ、3位決定戦も韓国に敗れたとはいえ、存在感を発揮した川口。アジア王者としての矜持を示した守護神だった。
(THE ANSWER編集部)