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減量の新常識は「食べて絞れ!」 “キレ食い”を発動させない「1日5食」理論

1日5食はカタボリズムも防げて一石二鳥

 私の経験上、本格的な飢餓状態になると、5食に分けたとしても空腹感が強くなり、キレ食いが発動しやすくなります。後述しますが、これは体のエネルギー残量があまりにも少ないために起こるものだといえます。

 私たち競技ボディビルの選手は、大会に向けて体脂肪を極限まで落としていきますが、「食べて絞る」のがイイ感じに進むのは途中まで。大会1~2週間前になると、厳しい食事制限へ移行しないと仕上がってこない場合がほとんどであり、直前ともなるとかなり厳しくなります。

 すると容易に低血糖状態に陥り、動悸が激しくなり、思考は働かず、冷や汗も出る。非常に危ない状態になります。減量末期なので、体脂肪や体内のグリコーゲンが僅少化している、いわばエネルギー残量がほぼない状態であるため、常に強い飢えを感じるのです。

 これは仕上がってきたサインでもありますが、一方で食事のタイミングを一つミスるだけでも、突如、抑えきれないほどの猛烈な空腹感に襲われてしまう。こうなったら最後、「何でもかんでも食べちゃえ!」とキレまくり、すべてが終わってしまいます。

 おそらく、脳が設定している体脂肪率以下になると、本能的に「何か補給しないとヤバイ!」と食欲が発動するのではないでしょうか。これを読んでいる人はそこまで追い込まれることはないと思いますが、つまり、キレ食いを防ぐには、いかにして「極限の空腹状態を作らないか」が大事なのです。

 ちなみに、1日5食は除脂肪を進める上でも利点が大きい。空腹(低血糖)の状態から満腹状態にすると、血糖値が急上昇し、大量のインスリンが分泌されます。インスリンは栄養素を全身の細胞に送る働きをしますが、当然、筋肉だけでなく脂肪細胞にも送る。結果、脂肪細胞の内部に中性脂肪が蓄積され、細胞のサイズが肥大します。これは、太るという現象の細胞レベルでの考え方です。

 しかし、3回の食事を5回に増やすことで、空腹の度合いも頻度も少なくなるため、体脂肪の肥大を抑えられます。しかもカタボリズム(空腹によって筋肉や細胞が分際されてしまう作用)も防げるとあって、一石二鳥です。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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