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ひょろい体形に腰痛で不安が… 「バーベルを持たずに鍛える方法」はあるのか

現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏【写真:荒川祐史】
現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏【写真:荒川祐史】

実は痛みの原因は体ではなく、心の弱さの場合も

 ここまでは体の話をしましたが、実は痛みの原因は体ではなく、心の弱さの場合も多々あります。学生をみていても、他の練習やトレーニングは問題なくできるのに、バーベルスクワットを入れると、急に「腰が痛い」という選手がたまにいます。指導者があまりトレーニングに詳しくないと「痛いなら仕方ないな。怖くてやらせられないな」という流れになりますが、この場合、厳しいトレーニングから心が逃げているだけのこともあります。

 スクワットは全身の筋肉を使うのでとてもキツイ。それだけなら筋トレが好きな人なら問題はないはずです。しかし、それに加えて心肺機能まで追い込まれるので、通常の筋トレとは異なる辛さがあり、逃げたくなる選手もいるのです。辛さのカテゴリーが少し違うのですね。これをしっかりオールアウトするには、とても強い心が必要です。

 今はそれこそ、レッグプレスなど腰に大きな負担をかけずにスクワットのような動きができるマシンがあるので、バーベルスクワットをやらなくても、まぁまぁ鍛えられはします。でも仕上がりを比べると、やはりバーベルを担いで作り上げた体幹と下半身には敵いません。

 鉄の塊を生身の人間がかついでしゃがむのは、確かに怖い行為です。潰されて、大怪我をしかねないですからね。しかし、その恐怖心と、それによって発揮される底力。このトレーニング効果は絶大です。「腰が痛い」という免罪符をかざし、いつまでも逃げていたら強い体は手に入りません。まさに心身一如。ぶっとい体幹や下半身は、力強い体を演出するだけでなく、心肺機能の強さ、そして心の強さの証でもあります。まずはフォームを見直し、心を強く持って、重りに立ち向かってください。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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