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“ウエイトの筋肉”と“スポーツの筋肉”は違うってホント? 「筋肉論争」の是非

スポーツ選手とボディビルダーの筋肉の違いとは

 一方、アスリートがベンチプレスを行う目的は、主に相手に競り負けない体作りや競技上必要な押す力の強化。この場合、とにかくパワーを追求するのが目的なので、どの筋肉を使おうが、できるだけ重いウエイトを上げることが最優先です。関節を痛めつけるような不合理な動きではなければ、自分が最も力を発揮しやすいフォームで鍛えれば良いし、私もケガの危険性がなければ、フォームに関してそれほど細かく指導しません。

 皆さん、ボディビルダーの体を見た時、「異常にデカいな」と感じられると思います。事実、見た目の不自然さは動作にも現れます。

 例えば太もも前側にあって膝を伸ばす大腿四頭筋が異常に大きく発達していたとする。膝を伸ばすレッグエクステンションばかりやっていると、大腿四頭筋は発達するがお尻の筋肉は発達しない。お尻の筋肉は、立ち上がる、走る、ジャンプをする時などに大きな役割を担っている。したがって実際に走ったり、ジャンプをしても大きなパフォーマンは発揮できない。これは見栄え重視で筋肉を鍛えるため、「動かす、使う」観点でみるとアンバランスな発達になってしまっているという一例です。(しかし、ボディビルダーでも、本当のトップ選手はほとんどの筋肉が限界まで発達しているため、アンバランスであることもない)。

 仮に別個にお尻を鍛えたとしても、すぐさま走ったり、ジャンプをするというような動作に、ウエイトトレーニングで鍛えた筋肉を繋げられないこともある。鍛えた筋肉を実際のスポーツ動作の中で使いこなせない、という事であり、見た目の発達とは裏腹にスポーツパフォーマンスが低いこともあるのです。

 一方、スポーツ選手の場合、体を大きくすることはあっても全身の筋肉の連動を使ったウエイトトレーニングである事が多く、どこかだけ異常に発達するようなアンバランスな体型にはなりにくいし、また鍛えた筋肉をスポーツ動作の中で使いこなす技術のトレーニングを行っています。したがって、見た目の発達よりもスポーツ動作のパフォーマンスが高いのです。余計にビルダーが鈍臭く見えてしまいますよね。スポーツ選手の体型は自然体で美しいと感じるのは、機能的で調和のとれた体、機能美を感じているからなのかもしれません。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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