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20代で糖尿病予備軍に「膝が痛い」 テレワークで増加「座っている時間」の危険

3食ほぼ宅配食のテレワークで糖尿病予備軍になった20代男性「ひざが痛い」

 私の友人である、20代男性の話をしましょう。

 彼は2020年の3月、会社からの通達を受けて自宅勤務となりました。仕事柄、パソコンを家からは持ち出せないため、カフェで仕事することもできません。平日はワンルームの部屋で一日中、パソコンに向かって仕事をしています。

 自宅で缶詰状態はかなりつらいだろうなと思い、土日は何をして過ごしているのかと聞くと、「家に籠ってゲームをしている」とのこと。

 なんと、彼はそのうえ、3食ほぼ宅配食。まず、ランチで出前を取り、ここで余ったものは翌日の朝食に回す。なければ翌朝は何も食べないそうです。そして、夜は夜で宅配食をオーダー。「1日2回頼めば、毎日3食食べられるんですよ!」とうれしそうな彼を見て、そういう問題ではないだろう……と、突っ込まずにはいられませんでした。

 ところがです。今年に入り、テレワークを謳歌していた彼から「ひざが痛い」とSOS。しかも健康診断の結果、糖尿病予備軍になっていました。

 まだまだ筋肉が落ちにくい20代男性でも、この状況です。かなり極端な例をお話ししましたが、「相当、深刻な状態かもしれない」と感じていただけたでしょうか?

 ひざの痛みは、下半身の筋力の低下を示すサインです。日常的に痛みや違和感があったら、決して放置せず、積極的に下半身を動かしてください。

 一方、このような提案すると、「でも、仕事で疲れているうえに動くなんて、疲れるだけなんですよね……」と、よくいわれてしまいます。でも、本当にそうでしょうか?

 実は、長時間座位の姿勢でいるより、繰り返し立ち上がるほうが、疲労軽減効果が得られるという研究の報告があります。

 この研究では、1日8時間、座って過ごす群と、30分おきに立ち上がり、3分間軽いウォーキングをする群とに分けて、疲労度の差を検討。結果、座位と立位をくり返した群のほうが疲労度は低く、生産性は高い、という傾向が見られました。

 まだはっきりした理由はわかりませんが、座位を中断することによる心理的覚醒効果、短時間の歩行が自律神経のバランスの維持に効果的であるという可能性、そして血流が増加することによって、エネルギーレベルが維持され、結果的に気分が良好に維持される、などの考察がされています。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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