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「相当戦いましたね」 バレーボール女子代表監督・中田久美が決めた覚悟

バレーボールは「思い通りにいくことの方が少ない」と中田は語る【写真:荒川祐史】
バレーボールは「思い通りにいくことの方が少ない」と中田は語る【写真:荒川祐史】

バレーボールは人生そのもの「思い通りにいくことの方が少ないですね」

 中学入学後に始めて以来、40年が経過してもなお、バレーボールが大好きだと言える。中田の心を虜にしたバレーボールの魅力とは、一体どこにあるのだろうか。

「想像力が非常に掻き立てられる。空間認知の世界なので、人がいないところに予測してボールを出すわけですよ。いろいろな細かい計算をしたり、目で見る情報を使って頭の中で想像力を高めながら。その作戦がハマった時の感覚がすごく面白い。それが違った時でも『あ、こういうことも起こるんだ』っていうのも面白いんです」

 予定調和にならないからこそ、何年バレーボールを続けても新しい発見が生まれる。「想定外のこともたくさん起きるので、頭の中で想像はどんどん膨らんでいくし、想像が当たる確率を高めるために、1つのことを本当に深く掘り下げていく必要も生まれてきますし、そこはいくらやっても答えが出てこない」と、バレーボールと向き合い対話する毎日だ。

 バレーボールの神様が投げかける終わりなき課題解決の道を、中田はこう例えた。

「思い通りにいくことの方が少ないですね。でも、そんなもんじゃないですか、人生って。だから、いろいろなことを学ぼうとか、頑張ろうとか思うんだと思うんですよね。だから、何を求めるかっていうことで、だいぶ変わってくると思います。なりたい自分にしかなれないと思うので、自分が描く理想像だったり、人生であったりに、少しでも近付けられるように勉強するしかないと思います。バレーボールも同じです」

 バレーボールは人生そのもの。どこに目標を設定するか、それ次第でたどる過程も得られる結果も変わってくる。監督・中田久美は東京五輪の目標を聞かれると「メダル、獲ります」と言い切った。そのメダルは一番いい色?

「もちろんです」

 中田の頭の中には、すでに金メダルへの道筋が、想像力と計算の結果、無数に導き出されているようだった。

(敬称略)

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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