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十種競技の日本記録保持者・右代啓祐が明かす “恩人”武井壮から受けた「衝撃」

1つの出会いが、その後の人生を大きく変えることがある。陸上・十種競技の日本記録保持者、右代啓祐はこれまで数々の出会いに恵まれ、師に導かれ、友と高め合い、自身を磨いてきた。その中でも、右代の競技者としての在り方を大きく変えた出会いがあるという。

武井壮氏との出会いが、競技者として右代啓祐の在り方を大きく変えた【写真:荒川祐史】
武井壮氏との出会いが、競技者として右代啓祐の在り方を大きく変えた【写真:荒川祐史】

十種競技元日本王者の武井氏の一言「陸上の技術をあれこれ言っているけど…」

 1つの出会いが、その後の人生を大きく変えることがある。陸上・十種競技の日本記録保持者、右代啓祐はこれまで数々の出会いに恵まれ、師に導かれ、友と高め合い、自身を磨いてきた。その中でも、右代の競技者としての在り方を大きく変えた出会いがあるという。

【特集】なぜ苦手に挑戦するのか 十種競技の日本記録保持者が語る人生との共通点 / 十種競技・右代啓祐インタビュー(GROWINGへ)

 国士舘大学から同大学院に進学した2009年、日本陸上連盟の混成競技合宿で臨時コーチを務めたのが、十種競技の元日本選手権王者で、現在はタレントとして活躍する武井壮氏だった。右代は武井氏に2年間ほど師事するが、まず言われたことが「逆立ちをしてみろ」だった。

「逆立ちして、俺の言う通りに動いてみろって言われたんです。いざやってみると、止まれって言われても止まれない。歩き出してって言われても歩けない。横にカニ歩きみたいに動けって言われても動けない。『お前さ、陸上の技術をあれこれ言っているけど、逆立ちして自分の体をコントロールすらできないのに、技術の話をするな』って言われて。引退か……っていうくらい落ち込みました(笑)」

 もちろん、武井氏は右代に引退勧告をしたわけではない。気付かせたかったのだ。

「逆立ちは、立っている時に足をついていることが手に変わるだけ。でも『足の接地とか重心の位置とか考えたことあるか?』と言われると、そんなこと考えたことなかったんですよ。日常的にどこに立っていると楽だとか、歩く時は重心がどこで体を前に何度倒したら進むとか、上半身を倒すと進むのか、足から先に出ていくのか、とか。普段、意識したことないじゃないですか。だから、そこを1つ1つ考えていったら、逆立ちで止まるために必要なことができていなかったんです」

 まず取り組んだのが、自分の思い描くイメージと実際に見たイメージの比較だった。逆立ちをして真っ直ぐ立っているつもりが、写真で見ると体が大きく前方に反っている。「これじゃ重心が前に行くから止まれませんよね」。意識して足を揃えてみても、写真で見るとまだ前傾。後ろに倒しすぎるくらいの意識だったらどうだろう……。ここでようやく、倒立で真っ直ぐ立つことができた。

「倒立ができるようになって、倒立歩行、バック転、バック宙ができるようになった。苦手だったマット運動を克服し、得意なものに変えることで、自分の体をコントロールする術を身に付けていったんです」

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