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東京五輪で本当にメダルを狙えるのか 男子7人制代表の“リアルな現在地”を検証

昨年の香港セブンズ時の藤田。右はNZのスター選手であるウェバー【写真:出村謙知】
昨年の香港セブンズ時の藤田。右はNZのスター選手であるウェバー【写真:出村謙知】

リオ五輪では4位も…現在の日本の実力は世界15位相当?

 日本が昇格を目指しているワールドシリーズは毎シーズン15のコアチームが10大会(=世界10都市)を回るスタイルが取られている。

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 2018-2019年シーズンはコアチームとしてワールドシリーズに参戦していた日本だが、シーズン総合成績でコアチーム中、最下位となり降格。

 来季コアチーム入りを果たせるのは1チームのみであり、昇格決定大会を経て無事昇格を果たせても実力的には世界15位という立ち位置ということになる。

 昇格決定大会へ進む8チームを決める予備大会で手こずっているようでは、五輪でのメダルなど夢のまた夢というのが現実なのだ。

「セブンズチャレンジシリーズ」のため南米入りする前、日本はワールドシリーズのニュージーランド・ハミルトン大会(1月25、26日)、豪州・シドニー大会(2月1、2日)に参戦した。

「セブンズシリーズ」には毎大会16チームが参加。15のコアチームに招待枠1チームが加わるというスタイルなのだが、今季に関しては五輪が控えていることもありコアチーム以外の五輪出場権を持つチームが招待される傾向があり、幸いにして日本も12月のドバイ大会に続いて両大会への参戦が可能となった。

 この両大会に関して、日本は完全な2チーム体制で臨んだ。

「選手には『これがどういうことなのか』というのは伝えてある」

 岩渕健輔・男子セブンズ日本代表ヘッドコーチは直接の明言こそ避けたものの、メンバー構成的にはハミルトン大会が現状のAチーム、シドニー大会が同Bチームという位置付けであることは明らかだった。

 実際、いずれも1分3敗と白星を挙げられずに終わった両大会を経て、南米遠征に参加したメンバーはハミルトン組から12人、シドニー組から4人という内訳だった(加納遼大のみ、ハミルトン、シドニー両大会でプレー)。

 ウルグアイ大会登録メンバーは以下の通り。

 彦坂匡克、羽野一志、藤田慶和、合谷和弘、松井千士、小澤大、副島 亀里 ララボウラティアナラ、後藤輝也、加納遼大、ジョー・カマナ、ティモ・スフィア、ジョセ・セル(チリ大会では、石田吉平もメンバー入り)

「五輪はいつも、いまのチームの目標としてある。その一方で、五輪後もセブンズの強化を停滞させてはいけない」

 そう語る岩渕HCも今季の大きな目標に掲げる「セブンズシリーズ」コアチームへの昇格へ向けて、五輪出場資格のないメンバーも含む、ある意味、五輪メンバーよりもベストと言えなくもないチーム構成で臨んでいるだけに、他チームを圧倒する内容で昇格大会へ勝ち上がってもらいたかったのだが……。

 実は、南米での予備予選の後、昇格決定大会は4月の香港で「セブンズシリーズ」と並行して開催される予定だったのだが、冒頭で述べたとおり香港セブンズ自体が10月に延期になったいま、同じように10月に延期になるのか、あるいは別の時期に別の場所などで行われることになるのかなど、詳細は未定のままだ。

 4月の香港セブンズが延期となったことは、五輪に向けて貴重な実戦経験が減るという意味でもマイナスであることは確かだが、その一方で日本が五輪で倒さなければならないトップチームも、香港、シンガポール両大会が延期となることで、東京五輪までの実戦経験の場は減る。

 その一方で、日本は3月7、8日のバンクーバー、5月23、24日のロンドン、同30、31日のパリという「セブンズシリーズ」3大会に招待チームとして参加することが決定している。これで、今シーズン、すでに終了した4大会も含めて、日本は東京五輪までに開催予定の「セブンズシリーズ」8大会中、実に7大会でプレーできることになり、ほぼコアチームと変わらない実戦経験を積んだ上で7月27~29日に東京スタジアムで予定されている本番を迎えることになる。

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