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代表98キャップの”鉄人”大野均が今、明かす 4年前、南アフリカに勝てた本当の理由

大野は、日本代表について「4勝できる力は十分についている」と話した【写真:吉田宏】
大野は、日本代表について「4勝できる力は十分についている」と話した【写真:吉田宏】

打倒アイルランドのチャンスも十分「4勝できる力は十分にある」

 あの快進撃でも、掴みかけて逃したベスト8という悲願。4年後のいま、大野はその可能性に期待を高めている。


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「(プール戦で)4勝できる力は十分についている。チャンスはあると思っています。アイルランドに勝つヒントを、今年の6か国対抗でイングランドが示してくれたのかなと思っています。あれだけ強いアイルランドでも、キーマンとなる9番、10番にプレッシャーをかけられ続けると、隙をみせてくれるんだなという印象でした。イングランドが積極的に前に出るプレッシャーを80分やり通して、最後もインターセプトからのトライもありました。あれをジャパンがやり続けたらチャンスはある。それをやれるだけの力は、もう備わっているだろうし、どう強いメンタルを持って80分間戦うかだと思います」

 開幕まで100日を切った中で、日本代表は、残された時間にどんな取り組みをするべきなのか。4年前の経験から大野がチームと選手に求めるのは、競い合う姿勢だという。

「ワールドカップのメンバーは31人と決まっています。いまは40人ほどに絞り込まれていますが、1人1人がギラギラしながら自分が最終メンバーに残ってやるという強い思いで8月まで過ごすことが、いちばん大事だと思います。個人個人のレベルが上がらないと、チームのレベルも上がらない。ライバルがいないとレベルは上がらないんです。

 自分は4年前の6月に手を骨折したんです。練習を休むのは簡単でしたが、休んでライバルに差をつけられてワールドカップに行けないとしたら一生後悔すると思った。だから参加できるメニューには極力参加して、骨折した箇所を使わないメニューを続けていた。そうやって6、7、8月を過ごしていくと、メンバー発表が近づいた8月の終盤には誰が選ばれてワールドカップにいっても応援できるなという心境になっていましたね。皆そういう気持ちで、選ばれた31人が選ばれなかった仲間の分まで戦うという気概を持っていた。そんな気持ちで今度の大会も臨めることができれば、強いチームになると思います」

 ワールドカップで過去3大会を戦ってきた大野は、今回のプール戦4試合も追い風と考えている。

「すごくいい日程だと思います。初戦のロシアも強いですけど、勝って自信をつけるのが大切です。開幕戦に勝つことで、ワールドカップに日本中の注目が集まると思うんです。その勢いでアイルランドを迎えるというのが、すごくいい流れだと思います。昨秋のイングランド遠征で、ロシアに苦戦して教訓をもらったはずです。ロシアの強さ、重さを体感できた。4年前は南アフリカとの激戦から中3日でスコットランドと戦ったが、今回は試合間隔もほぼ1週間おきですから、いいパフォーマンスで戦えると思います」

 そして、FWの大野らしく日本代表のキーポイントにセットプレーを挙げる。

「どの試合でも、いちばん大切なのはセットプレーの安定ですね。そこでやられたら向こうの思うつぼです。スクラムとラインアウトから、100%いいボールをBKに供給したい。いまのBKはいいボールさえ渡せば、1人1人の能力があるので前に持って行ってくれる。対戦相手では、サモア代表があのプールの鍵を握ると思っています。サモアに勝つのは絶対ですけど、そのサモアはスコットランド、アイルランドを苦しめるポテンシャルを持っている。サモアには日本でプレーした選手もいるので、前回の2015年大会でも日本のメンバーはサモア代表選手から、『日本のために、スコットランドに勝つ』というメールをもらっていた。今回も、そういう彼らの頑張っている姿から力をもらって、プール戦最後のスコットランド戦に臨めたら、きっといい結果になると思います」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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