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【NBAバズ動画解剖】レブロン豪快アリウープを演出した計算「頭の中に4、5つの予測が…」

米プロバスケットボール(NBA)はプレーオフに突入し、連日、トップ選手たちが世界最高峰のワザで競演している。ネット全盛のスポーツ、コート上で生まれた数々のスゴ技がSNS上に動画で発信され、たびたび“バズ状態”になっている。豪快なダンクに華麗なアシスト。そんな“SNS動画映え”するプレーをプロの目で見たら、どこに凄さを感じるのか。

レブロンの豪快アリウープを渡邉拓馬氏が解説(写真はNBA公式インスタグラムのスクリーンショット)
レブロンの豪快アリウープを渡邉拓馬氏が解説(写真はNBA公式インスタグラムのスクリーンショット)

「NBAバズ動画解剖」―プレーオフにSNS上で話題を呼んだ動画を渡邉拓馬が分析

 米プロバスケットボール(NBA)はプレーオフに突入し、連日、トップ選手たちが世界最高峰のワザで競演している。ネット全盛のスポーツ、コート上で生まれた数々のスゴ技がSNS上に動画で発信され、たびたび“バズ状態”になっている。豪快なダンクに華麗なアシスト。そんな“SNS動画映え”するプレーをプロの目で見たら、どこに凄さを感じるのか。


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「THE ANSWER」はプレーオフ期間中の特別企画「NBAバズ動画解剖」を始動。プレーオフ期間中に飛び出し、SNS上で話題を呼んだプレーを元日本代表・渡邉拓馬氏が独自の視点で解説する。ライトなファンから玄人のバスケ通まで唸る分析が満載。第1回はNBA公式インスタグラムが8月20日に投稿し、50万件以上の「いいね!」がついた「デービス―レブロンの豪快アリウープ」だ。

【バズ動画はこんなプレー】西地区1回戦のレイカーズ―トレイルブレイザーズ第2戦、第1クォーター(Q)残り7分。3ポイントライン付近、レイカーズのジャベール・マギーから中央でボールを受けたアンソニー・デービスが、右アウトサイドからトレイルブレイザーズ守備陣の裏をフリーで駆けたレブロン・ジェームズへ、絶妙な浮き球でパス。そのまま跳び上がったレブロンが豪快にリングに叩きつけ、阿吽の呼吸でアリウープを完成させた。

 NBAらしい迫力と連係が目に付くが、渡邉氏がこのプレーに見た“バズポイント”は――。

 ◇ ◇ ◇

 見た目が凄く派手でNBAらしいプレー。ぱっと見ると簡単そうにしていますが、レブロンとデービスの2人だからできたアリウープに映ります。

 まず、普通に見て印象に残るのは、デービスのパスの精度。彼のような選手がこういうパスを出すのが、NBAを含め、今の世界のスタイルの普通になりつつある。ビッグマンでありながら、センスある選手は増えています。

 ただ、私の目にはトレイルブレイザーズのディフェンスのコミュニケーションミスが一番に目に映りました。デービスがパスを出す前、味方のグリーンが密集の中でレブロンに対してバックスクリーンをかけていて、本当はグリーンについているリラードがレブロンに一度ぶつかるか、スイッチをするのがスタンダード。ただ、リラードの反応が遅く、レブロンがスムーズに直進できる状態にしてしまいました。

 そこをボール保持者のデービスがうまく突いた。NBAでとてもIQが高い選手で、この場面で彼は2つの動きを見ていたと思います。1つ目は自分のマークマンが下がってプレッシャーがないこと。2つ目はリラードがスイッチしなかったこと。これはサイドラインからのナンバープレーで、ファーストオプションがレブロンのバックピックからのアリウープだったと思います。

 もし、リラードがスイッチしていたら、レブロンのミスマッチでインサイドを狙う。もしくはデービスが自分で1対1を仕掛けるか、いくつかの選択肢があった。ただ、相手のディフェンス陣がミスをしたので、パスを選択したということ。

 デービスはインサイドの選手というよりオールラウンダー。パスの精度も高く、広い視野も持っている。この場面では瞬時に自分のシュート、自分へのディフェンス、レブロンへのディフェンス、リラードの反応、逆サイドにヘルプがいないか。頭の中で4、5か所の予測を立てていたと思います。そういう意味では、もはやインサイドの選手のくくりではありません。

 もちろん、アリウープを完成させたレブロンもさすがです。デービスにパスが渡った時、すぐに動き出してもいいですが、彼も当然IQが高い選手なので、スピードをコントロールした。その動き出しのタイミングの計り方が絶妙。デービスと同じように、自分へのディフェンスとリラードがどう出てくるかを見て、アイコンタクトしている。「来ないから、パスを上げろ」という感じ。

 2人は米国代表でも一緒にやっているし、お互いに何を考えているかは話さなくても分かり合えるレベル。細かいコミュニケーションはもちろん、チームとして話していると思いますが、こういうプレーはそこまで時間はかからないんじゃないかと思います。

 このプレーで一番に目についたのはトレイルブレイザーズのディフェンスのミス。それを確実に突き、アリウープを完成させたデービスのパスの精度と、レブロンを含めた2人の状況判断です。

 普通なら、トレイルブレイザーズにはアリウープだけはさせないように指示が出る場面。そこを2人の連係で破ったのは、さすがです。

 ◇ ◇ ◇

 華やかなプレーの裏に見えたのは、NBAを代表するトップ選手2人が阿吽の呼吸で相手のミスを突き、冷静な状況判断で一致させたイメージの共有。レイカーズはこの日の試合で111-88と快勝したが、なかでもインパクトを残したプレーとなった。チームは1回戦を突破すると、目下、準決勝も3勝1敗とし、地区決勝に王手をかけている。

(THE ANSWER編集部)

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