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身上は「相手の逆を突く」― 魅惑の“攻撃サッカー”貫く神村学園の強烈な個性

身体が大きくなくても、足が特別に速くなくても、勝てる。南部九州総体(インターハイ)2019男子サッカーに出場する神村学園高校(鹿児島)は、魅惑的な攻撃サッカーを織りなす。各選手が絶妙な距離を保ってパスを交換し、相手に狙い所を作らせず、ボールを奪わせない。スピードやパワーで勝つのではない。彼らの身上は「相手の逆を突く」ことだ。

南部九州総体2019男子サッカーに出場する神村学園高校【写真:平野貴也】
南部九州総体2019男子サッカーに出場する神村学園高校【写真:平野貴也】

26日に1回戦で国学院久我山と対戦

 身体が大きくなくても、足が特別に速くなくても、勝てる。南部九州総体(インターハイ)2019男子サッカーに出場する神村学園高校(鹿児島)は、魅惑的な攻撃サッカーを織りなす。各選手が絶妙な距離を保ってパスを交換し、相手に狙い所を作らせず、ボールを奪わせない。スピードやパワーで勝つのではない。彼らの身上は「相手の逆を突く」ことだ。

 攻撃時に右DFの位置から中盤に上がってパスの起点となる中島吏九(3年)は「相手の動きが見えるようになると、自分が取るべきポジションを相手が教えてくれます。相手の(3人を結んだ)三角形の間に立って、ボールを受けたら2人の相手が挟み込んで来るスペースにボールを運ぶ。そうやって相手を自分が引きつけた状態で、外側にパスを出すと、味方が(相手の少ない)オープンスペースでボールを持って攻撃を仕掛けられます」と説明してくれた。ボールを運ぼうとして相手に追いかけられるのではなく、追いかけてくるところまでを計算に入れて、逆を突くのだ。

 神村学園の選手たちは、この駆け引きを身につけるために、下級生の頃から悪戦苦闘を繰り返し、少しずつ会得している。言葉で説明するのは簡単だが、実際にピッチ上で体現するのは難しい。何しろ、ボールが動いている間に、全体の配置と、相手の狙いや動きを把握しなければならない。

 サッカーの世界には「ボールウォッチャー」という言葉が存在する。ボールばかりを見ていて、効果的な動きができない人という意味で使われる。ボールに気を取られると、自分がマークしている相手の動きを見逃すなど、ほかのことが疎かになるのだ。ボールと人の動きを同時に把握するのは難しい。中島は「最初は、ボールの動きも味方の動きも見ないで、相手だけを見るようにして、少しずつ感覚が身についた。分かってきたら、楽しい」と話した。

 慣れていない選手は、ボールと味方を見てプレーする。しかし、そうすると、ボールを奪おうとする相手に動きを予測され、球際の争いになる。そうかと言って、相手の間に立つことだけしか考えていないと、今度は取り囲まれるばかりになる。味方の動きが見えないので、逃げ場も見つけられない。

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