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栗原恵がコートで笑顔を忘れた日 「隣のローソン」に憧れた“部活と3年間”の告白

胸を張って言える、「今、私のバレーボールの土台は高校にあります」と―

 全日本のエースとして活躍し、2度の五輪出場した「プリンセス・メグ」。度重なる怪我を乗り越え、34歳にして、今なおコートに立ち続ける。その原点には、生涯忘れられない3年間がある。「いっぱい、辞めたいと思ったことはあります。逃げ出してしまう選手もいたし、その気持ちもわかります」と率直に言った後で「でも……」と言葉をつないだ。

「やればやっただけ、結果はついてきた。負ける気は本当にしなくて、全国大会に行っても、最初から5日間の連戦で決勝を計算して考えるくらい。今、考えても凄いなと。練習内容もかなり追い込むものなので、選手同士が感情を抑えない。選手に対しても『今のなんで行ってくれないの!』と自然と出るくらい。でも、それは家族のように毎日一緒に寮でも体育館でもずっと過ごしているから。いい時は『本当にありがとう』と、みんな言える。腹の底から、凄く濃い付き合いを3年間、過ごしたと思います」

 だから、胸を張って言える。「私のバレーボールの土台は高校にあります」と――。

「田舎っぺで、広島の小さな島出身。高校も山口県防府市の長閑な街の出身。でも、全国大会で上がってくる強豪校は必ず、東京の高校でした。環境も違って、大山加奈率いる下北沢成徳は休みがちゃんと週1回あって、みんな携帯も持って、自立した学校。でも『自分たちは同じことをしていたら勝てない』と。東京は綺麗なバレーをしているけど、『お前たちはフォームなんて汚くてもいい。ボールを上げる、決めるというのを泥臭くやれ』とずっと言われていました。

 もちろん、どっちがいいとかじゃないんです。東京のバレーも素晴らしくて、常にたくさんの強豪校がいる中で勝ち進んでくるので、都大会ですでに全国大会を戦っているようなものすごいチームと戦い慣れている。私たちは山口では断トツに力の差がある中で全国大会に出ているので、同じ土俵で戦おうとした時には同じことをやっていたら勝てない。それ以上のことを練習で上回るようにカバーしていた。その“負けじ魂”という根本は高校で培われたと思います」

 今年もまた熱い夏がやってきた。汗と涙と、笑顔に溢れた3年間を思い浮かべながら、栗原は優しく、温かいまなざしを高校生に向けている。

 ◇インターハイの女子バレーボールは2日から4日間にわたって熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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