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全員初心者からの全国挑戦― “なぎなた女子”はなぜ、なぎなたを手に取るのか?

今、なぎなたが熱い。なぎなたを題材にした漫画「あさひなぐ」が映画化され、人気アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーが多数出演した青春ストーリーは大きな話題を集めた。長らく男子禁制であったが、近年徐々に緩和され男子部員も徐々に増えてきた。今回紹介する京都・南陽高にも男子部員が所属。4年連続19度目の出場を決めたインターハイへ向けて、灼熱の道場で26人の部員が日々汗を流している。

4年連続19度目のインターハイ出場となる京都・南陽高【写真:荒川祐史】
4年連続19度目のインターハイ出場となる京都・南陽高【写真:荒川祐史】

人気がじわじわ上昇中のなぎなたの強豪、京都・南陽高

 今、なぎなたが熱い。なぎなたを題材にした漫画「あさひなぐ」が映画化され、人気アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーが多数出演した青春ストーリーは大きな話題を集めた。

 なぎなたの魅力は何と言っても華やかさ。競技人口はほとんどが女子。同じ武道とあって、一般的に剣道と比較されがちだが、なぎなたのほうが竹刀よりも倍近く長く(2メートル10センチ~2メートル25センチ)、剣道の面・胴・小手・突きに加えて、脛への攻撃も有効。剣道のように袴をはいて防具をつけるのは共通するが、なぎなたの防具にはすね当てがあるのが最大の違いだ。また立ち居振る舞いも重要視され、有効な打突の一本の判定には「態度、発声、呼吸、気持ち」が調和していなければ認められない。

 なぎなたはもともとは女性の護身用の武器で、力よりも長さを生かした遠心力を使って攻撃する。それゆえに、筋力のない女子でも巧みに扱うことが可能だ。長らく男子禁制であったが、近年徐々に緩和され男子部員も徐々に増えてきた。今回紹介する京都・南陽高にも男子部員が所属。4年連続19度目の出場を決めたインターハイへ向けて、灼熱の道場で26人の部員が日々汗を流している。

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 京都府の最南端。奈良県との県境に位置する木津川市にある南陽高。過去にはインターハイで準優勝2度。1999年から2006年まで8年連続で団体入賞の実績をもつ。現在、チームを指導する谷口啓子監督は1996年に部を立ち上げ、全国的な強豪に育て上げた。一度は他校へ異動したが、2015年から再び同校に戻って指導を行っている。

「部員が減った時代もあったんですけど、また増えだした。2年生が4人と少ないので、1年生は必死に勧誘しましたよ。1人を除いて全員が高校スタート。みんな新しいことがしたいのかな。技術的に難しくて、それが面白いのかなと。簡単にはできない、複雑な動きが多い。知的な好奇心をくすぐるのか、うちの学校には考えるのが好きな生徒が多いのかなと思います」

 なぎなたの動きは多才で複雑だ。構えだけでも上段、下段、中段、脇構え、八相の構えとあり、さらに技も数十種類のバリエーションがある。さらには試合中に右構え、左構えとスイッチするのだから、高校から始めた生徒たちにとっては実に難解だ。だがその奥深さが、虜になる理由の秘湯でもある。

 未経験の選手たちは、なぎなたのどこに魅力を感じ入部するのだろうか。チームのエース的存在の長清叶花(きょうか・3年)は中学時代にはソフトボール部だったが、高校ではなぎなた部を選んだ。

「なぎなた部はなかなかないし、団体競技じゃなくて個人競技をやってみたかった。武道にも興味がありました。先輩のやっている姿を見て、この部活をやったら打ち込めそうだなと」

 主将を務める中川原宏子(3年)も卓球部からの転向。「新しいことに挑戦したかった。先輩方の姿を見てかっこいいなと思って、迷わずに決めました」と振り返る。先輩の凛とした姿に惹かれたようだ。

 一方で中学まではサッカー部だったという男子部員は入部の理由をこう明かしてくれた。

「サッカーは自分よりうまい人が多い。なぎなたなら新しいことを始められるかなと思いました」(春田一馬・1年)

「武道に興味があってなぎなた部を選びました。女子が多いのは最初は抵抗がありましたが、今は気にしていません」(井上拓哉・1年)

 なるほど、確かに他競技よりもライバルは少なく、全国大会への道は近いのかもしれない。現在の部員の中には全くスポーツ経験のない生徒も少なくないという。

「ぱっとみた感じ、袴姿でかわいらしいのはあると思う。音楽に合わせるリズムなぎなたというものがあって、そういうのを見せて勧誘をすることもあるのですが、実際に練習をやってみると厳しい。それで去っていく生徒もいます(笑)。剣道だと小さいころからやっている人が多いから、高校から始めても……というのはあるかもしれないですね。なぎなただと、みんな初心者やと思えるんでしょう」(谷口監督)

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