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平日は練習1時間 競技経験ゼロの弓道部監督が、文武両道校を強豪に育てられたワケ

全国制覇の期待もかかる清真学園弓道部【写真:荒川祐史】
全国制覇の期待もかかる清真学園弓道部【写真:荒川祐史】

大切なのは生徒とのコミュニケーション

 最初は生徒たちから信用されていなかったと振り返るが、徐々にその努力が認められていったのだという。当時から心がけていることが生徒たちとの対話だ。対話のための生徒の“情報収集”も大事だという。

「意識しているつもりはないですが、(生徒の情報は)勝手に入ってきます(笑)。ほかの先生方と話して、横をつないでいくと生徒たちの色々な情報が出てきます。普段こんなことを言っているとか。それをネタとして持っていて、それをここぞとばかりに出しています。特に女子は気まぐれな時もありますが、それは当たり前。なんでも話せる子、そうでない子もいる。声をかける時に気を使うこともありますね。安心した顔を見せてくれたときはホッとします」

 コミュニケーション中の微妙な表情の変化にも気を配っているのだという。傾向として女子に関しては、もともとコツコツと努力を積むが、最後にちょっとしたミスから自信を失うこともあるのだという。その時にいかに、無言で背中を押してやれるか。練習であれだけやってきたのだから、大丈夫だと自信をつけさせることがカギで、そのためにもコミュニケーションが欠かせないと強調する。

 そんな指揮官の指導もあり、6年ぶりに全国への切符をつかんだ女子。2年生で主将を務める紙田梨華子は初のインターハイへ向けて強い意気込みを口にした。

「ずっと目標にしてきた舞台なので、みんなで一つの日本一という目標に向かって、絶対に日本一になるという強い気持ちがあります。なかなか自分がやりたいことができなかったり、辛いことはあるんですが、それを直そうと続けていくことが大事だなと思います。うまく行かなかった時は、今までやってきたことを思い出して、佐久間先生に言われたことをしっかりやりきろうという気持ちで切り替える。試合中は今までやってきたことを信じて、それをやり切ることだけ考えて臨みたいと思います」

 また、たった一人の3年生で、弓道を始めたのは高校からという川崎百華は全国に出たいという一心で、テニス部から弓道部に転向。試行錯誤を重ねて、今やチームをけん引する大黒柱だ。

「弓道は奥が深いと思います。難しいところ、なかなかうまくなれないところ、頂点が見えないところです。3年生としての重圧もありますが、やらなくてはいけないことだけを頭の中で考えるようにはしています。終わった後は前には戻れないので、すぐに切り替えるように努力をしています」

 川崎は競技歴の短さを埋めるために、とにかく部員の中で1番練習したという。ほかの部員に負けない部分は「練習を休まないこと」だと断言する。

「休んだことはないと思います。最初は周りに追いつくのに必死でした。1番遅くまで残って弓を引いていたと思います。努力は裏切らないということは後輩たちにも伝えたいです」

 全国制覇の期待もかかる清真学園の弓道部。試行錯誤の成果を見せる大舞台はまもなくやってくる。

◇インターハイの弓道は8月2日に開幕し、4日間にわたって熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

(THE ANSWER編集部)

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