[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

美しすぎるバレーボール選手の今 パーソナルトレーナーとして歩む“第二の人生”

高校時代、強豪・八王子実践で1年生からレギュラーとして活躍。卒業後はV・プレミアリーグなどでプレーした元バレーボール選手、滝沢ななえさん。高校時代の厳しい部活、選手としては活躍できなかったVリーガー時代にこそ、得るものがあった、と振り返る。そして引退から7年。パーソナルトレーナーとして第二の人生を歩む今、「1日1日、地に足をつけて進んでいきたい」と語った。

現在はパーソナルトレーナーとして活動する滝沢さん【写真:宮坂浩見】
現在はパーソナルトレーナーとして活動する滝沢さん【写真:宮坂浩見】

滝沢ななえさんインタビュー後編 引退から7年、自身の人生を回想

 高校時代、強豪・八王子実践で1年生からレギュラーとして活躍。卒業後はV・プレミアリーグなどでプレーした元バレーボール選手、滝沢ななえさん。高校時代の厳しい部活、選手としては活躍できなかったVリーガー時代にこそ、得るものがあった、と振り返る。そして引退から7年。パーソナルトレーナーとして第二の人生を歩む今、「1日1日、地に足をつけて進んでいきたい」と語った。

 ◇ ◇ ◇

 無駄のない、シャープで、しなやかな体。カメラマンのシャッターに合わせて、手足が淀みなく、自由に動く。

「バレーボールをやっていた頃より、トレーナーをやっている今のほうが楽しいかな。クライアントさんに体の動かし方が一つでも伝わると嬉しいし、感謝の言葉を頂くのも嬉しい。何より、お客さんの体がどんどん変化し、よくなっていくことを実感できる。本当にすごくやりがいのある仕事です」

 そう話すのは東京にジムを構える、パーソナルトレーナーの滝沢ななえさん。かつて、Vプレミアリーグ、Vチャレンジリーグでプレー。“美人すぎるバレーボール選手”と言われメディアからも注目された選手だった。

「正直、当時はツラかったですね。注目はされるのはありがたいけれど、実力が伴っていない自覚がありましたから」

 小学校2年生からバレーボールを始めた滝沢さん。中学は日本代表、Vリーグ選手を数多く輩出するバレーボールの名門・八王子実践高校の付属校である、八王子実践中に入学した。しかし中学入学前から「もうバレーボールはやりたくない! 行きたくない!」と、母に向かって泣いて騒いだ、という。

「でも、我が家は母強し、です。気づいたら入学していました(笑)。母も高校までバレーボールをやっていたので、お話しを頂いたからには、頑張ってほしかったんじゃないかなと思います」

 中学卒業後は、そのまま八王子実践高校へと進学。高校時代は、学校から徒歩2分の場所での寮生活を送っていた。9人部屋で、プライベート空間は割り当てられた一人用のマットレスと小さなラック1つ。「マットレスの上でずっと生活していた」と笑う。

「強豪校にはいても、バレーボールが大好き、という感覚はなく、中学・高校時代は、毎日、辞めてやる! と思っていました。でもこれ、“部活動あるある”だと思うんです。毎日、どれだけ頑張っても怒られてばかりだし、理不尽なことも多い。練習も上下関係も寮生活も、とにかくいろいろな面で厳しい部活でしたから」

 週1の部活休みに合わせて実家に帰るたび、母親にも『辞めたい』と訴えていた。

「すると、母も『じゃ、やめれば?』と引き止めない(笑)。でも、そう言われると悔しくて、『もうちょっと、頑張るわ』となる。自分から途中で投げ出すことが嫌だったんですよね。それと、やっぱり試合に勝てたときの嬉しさや、「一緒に頑張ろうよ」と言ってくれる仲間の存在が大きかった。飴と鞭ではないですが、たまに掴める『飴』が大きかった」

 高校の大先輩であり、バレーボール元日本代表の三屋裕子氏との出会いも、バレーボールを続ける発奮剤となった。

「春高バレーのコーチングキャラバンという企画で指導していただいたのですが、三屋さんとのバレーボールはすごく刺激になりました。めっっちゃ怖かったけれど、厳しさのなかに、本当に私たちに勝たせたいんだな、という強い思いが伝わってきた。だから辛くても頑張れたし、乗り越えられました」

 滝沢さんは1年時からレギュラーで活躍。3年の間に全国ベスト8の成績を残した。離脱する選手もいるなか、今考えると最後まで続けたことはよかった、と話す。

「練習、上下関係、寮生活での規律と、厳しいなかやってきたことが、自分を育ててくれた。仕事で難しいことがあっても頑張れるとか、困難に立ち向かえる強さ、何かを継続する力は、中学・高校時代にバレーボールを頑張ってきたことで得られたと感じています。厳しいなかでも踏ん張ることで、得られる何かがある。だから、今、部活で頑張っていることがある子たちには、本当に続けてほしいなと思います」

1 2 3 4

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
Lemino
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集