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最年長2000本安打はいかにして生まれたのか 「職人技」磨き続けた男の原点

満足せず、もっといい成績を――

「会得をしたかと言われたら、そうじゃありません。個人タイトルをそこまで取ったわけじゃないし、三冠王も取っていません。僕より(バッティングレベルが)上の選手もいっぱいいましたから。今、振り返ると(2010年に)リーグMVPを取ったときに確かに喜びはありました。でもプロ野球の現役生活をトータルで考えた場合、満足できてはいません。

 もっといい成績を残せたんじゃないかとも思うし、逆に言えば現役時代にそういう気持ちでずっとやっていたので努力していくしかなかった。年齢の括りなどなく、もっとできた、もっとできるという思いが僕のなかには常にありましたね」

 満足せず、もっといい成績を。

 1年1年それが重なっていけばいくほど、その思いが強くなる。史上最年長の2000本安打と職人技のバッティングはそうやって生まれた。

「若いころは練習のやり方がわからなかった。でも年齢を重ねていくうちに、ああやったほうがいいんじゃないか、こうやったほうがいいんじゃないかって知恵もついてくる。そうすると段々、練習をやる意味というか、練習をやることによって技術が上がっていく実感を得られるようになったんです。年齢を重ねるごとに練習って大事だなと思えるようになっていきましたね」

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