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子供にとって「親やコーチは神様のようなもの」 来日6年の伊指導者が“過干渉”に警鐘

中学生年代までの子供にとって「親やコーチは神様のようなもの」

 2006年ドイツ・ワールドカップを終えて、日本サッカー協会(JFA)では優勝したイタリア代表の戦いぶりが話題になったそうである。決勝トーナメント1回戦オーストラリア戦の後半5分でマルコ・マテラッツィがレッドカードを受けて退場になるが、イタリアの選手たちは誰もベンチに視線を送らず、淡々と選手同士がピッチ上で話し合い対処したという。

「子供は寄り添う大人に多大な影響を受けます。親が『うちの子は大人しい』とか『恥ずかしがり屋だから』と言えば、子供も自分はそうなんだと思い込みます。小さい頃からコーチに『スライディングは危ないからやめようね』『ファウルは絶対にダメだよ』と言われれば、その通りに育ちます。中学生年代くらいまでの子供たちにとって、親やコーチは神様のようなものですからね」

 モネーゼは、子供をスクールに送ってくる両親に向けて常々メッセージを送っている。

「もし子供たちが、ここでの練習以外にもサッカーをやりたがるようなら、友だちを誘って公園で遊ばせてください」

 子供たちには、誰からも干渉されずにサッカーに興じる時間が不可欠なのだという。

「1990年自国開催のワールドカップに初出場したロベルト・バッジョは、チェコ戦で歴史上でも最も美しいと称賛されるゴールを決めました。それは小さい頃、兄弟で遊んでいた時に培ったアイデアを実現させたものです。『今、パスを出せ』『そこでドリブルを仕掛けろ』などと大人から規制されることもなく、好きなように遊んでいる時のアイデアが世界最高の舞台で発揮されたのです」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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