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大坂なおみを変えた指導哲学 なぜ、バイン氏は世界1149位から名コーチになれたのか

テニスの全豪オープンで16強進出を果たし、BNPパリバ・オープンではツアー初優勝。大坂なおみ(日清食品)は2018年シーズンを幸先良く滑り出した。そして、日本女子選手初となる全米オープン優勝の快挙達成し、21日開幕のWTAファイナル(DAZN独占生中継)を目前に控える。2016年にはWTAアワード最優秀新人賞に輝き、2017年の全米オープンでは初戦で前年覇者のアンゲリク・ケルバー(ドイツ)に勝利するなど、徐々に頭角を現してはいたが、今季その実力が一気に開花した印象は強いだろう。

「THE ANSWER」の単独インタビューに応じたサーシャ・バイン氏【写真:mika】
「THE ANSWER」の単独インタビューに応じたサーシャ・バイン氏【写真:mika】

「THE ANSWER」単独インタビュー第2回―教えすぎずに導くスタイルで全米オープン制覇

 テニスの全豪オープンで16強進出を果たし、BNPパリバ・オープンではツアー初優勝。大坂なおみ(日清食品)は2018年シーズンを幸先良く滑り出した。そして、日本女子選手初となる全米オープン優勝の快挙達成し、21日開幕のWTAファイナル(DAZN独占生中継)を目前に控える。2016年にはWTAアワード最優秀新人賞に輝き、2017年の全米オープンでは初戦で前年覇者のアンゲリク・ケルバー(ドイツ)に勝利するなど、徐々に頭角を現してはいたが、今季その実力が一気に開花した印象は強いだろう。

 なぜ大坂は飛躍できたのか――。その答えを探る時に欠かせないのが、昨年12月からパートナーを組むコーチ、サーシャ・バイン氏の存在だ。世界トップを狙える才能と実力を持ちながら殻を破りきれなかった大坂を、一気に解き放ったバイン氏。現役時代は世界ランキング最高1149位という無名選手でありながら名コーチに上り詰めた指導哲学は、教えるのではなく、導くことにあった。

 バイン氏が選手と接する時に、何よりも大切にしているのが「オーバーコーチ」しないこと。つまり、教えすぎないこと、だ。「選手が自分で問題を解決し、失敗に対する答えを見出せれば、それは自分のものとして長く身につく」という考えの下、大坂にも「自分で考える余裕を与える」という。

「僕はナオミに問題解決をさせて、どうするべきか、その考えを僕たちに伝えるように話している。でも、そう言うと、ナオミは僕の顔をじっと見て『何を言いたいの? 何か言いたそうよ』と答えを引き出そうとするから、僕は自分の唇を噛みしめて『ノーノー何でもないよ』と必死で言わないようにしているんだ(笑)。

 試合中、コーチは選手に何も伝えることはできない。全米オープンでも大事な局面を迎えた時、ナオミは自分で答えを見つけることができたから優勝できた。試合中は他の誰でもない、自分しか自分を助けることはできないんだから」

 自分で考えさせると言っても、闇雲に放り出すだけではコーチとは言えない。時には自分が実例となり、時にはヒントを与えながら、最善の選択ができるように見守るという。

「自分で考えさせながら、同時に僕が導きたい答えに、彼女が知らずしてたどり着くように、状況をセットアップすることもできる。それもコーチングの1つだと思うんだ」

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