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2023年W杯へ猛アピール 慈善試合で躍動、ラグビー日本代表“予備軍”で輝いた2人とは

1月の海底火山の噴火で大きな被害を受けたトンガ王国支援を目的としたチャリティーマッチ「ジャパンラグビーチャリティーマッチ2022」が、6月11日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた。試合は、日本代表候補(ナショナルディベロップメントスコッド=NDS)で編成されたエマージングブロッサムズが、在日トンガ人選手を中心に編成されたトンガサムライXV(フィフティーン)を31-12で下して、代表予備軍の可能性をアピールした。代表経験者、次世代の代表戦士が入り混じったメンバーが目指すのは、宮崎で合宿中の日本代表への昇格。チャリティーと同時に、来年9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会出場を懸けたサバイバルと位置づけられた戦いで、可能性を感じさせた新たな力を検証する。(取材・文=吉田 宏)

日本代表入りへ攻守に躍動した根塚洸雅【写真:アフロスポーツ】
日本代表入りへ攻守に躍動した根塚洸雅【写真:アフロスポーツ】

日本代表候補のエマージングブロッサムズ、チャリティーマッチに31-12で勝利

 1月の海底火山の噴火で大きな被害を受けたトンガ王国支援を目的としたチャリティーマッチ「ジャパンラグビーチャリティーマッチ2022」が、6月11日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた。試合は、日本代表候補(ナショナルディベロップメントスコッド=NDS)で編成されたエマージングブロッサムズが、在日トンガ人選手を中心に編成されたトンガサムライXV(フィフティーン)を31-12で下して、代表予備軍の可能性をアピールした。代表経験者、次世代の代表戦士が入り混じったメンバーが目指すのは、宮崎で合宿中の日本代表への昇格。チャリティーと同時に、来年9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会出場を懸けたサバイバルと位置づけられた戦いで、可能性を感じさせた新たな力を検証する。(取材・文=吉田 宏)

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 多くの留学生、助っ人選手を受け入れてきた日本とトンガの絆を感じさせたチャリティーマッチ。だが“サクラの蕾”たちにとっては、代表昇格を懸けた真剣勝負として挑んだ80分だった。試合後に、チームを率いる堀川隆延ヘッドコーチ(HC)が改めてこのチームのミッションを、こう説明した。

「チャリティーマッチではあるが、自分たちが目指すのは日本代表であって、その先にはワールドカップで勝つという道標がある。我々は常に挑戦し続けるということを、選手たちとは1週間話してきました。そういう意味では、皆いいチャレンジはしてくれたと思う」

 サイズではジャパン予備軍を上回る南太平洋の侍たちに、ジャパン流のラグビーで立ち向かった。キックオフ直後の相手のアタックをPR(プロップ)の淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)とLO(ロック)のヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)が2人がかりのタックルで封じ込めた。正代表も宮崎合宿で取り組むダブルタックルだ。指揮官こそ異なるが、戦術の多くは代表と共有する。自陣からでも積極的にボールを動かし、キックから相手にプレッシャーをかける戦いぶりが、これから始まるテストマッチを予感させた。

 事前に堀川HCからは「ジェイミー・ジョセフHCと話し合って、日本代表に一番近い選手をスタートメンバーに選んだ」と説明があった15人。ゲームを推進したのは主将も務めたSO(スタンドオフ)の田村優(横浜キヤノンイーグルス)、CTB(センター)立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、SH(スクラムハーフ)茂野海人(トヨタ)ら代表常連勢。手術明けのファンデルヴァルトはトンガ勢もたじろぐ強靭なコンタクトを繰り返し、NO8(ナンバーエイト)のテビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)は、同郷の相手をぶちかますような突進、激しいジャッカルを連発して、今すぐにでも代表復帰できるポテンシャルを発散させた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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