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陸上で日本一、冬季五輪も出場 「勝てる場所で勝つ」競技転向で夢を叶えた男の思考

元陸上短距離選手の佐藤真太郎氏が「THE ANSWER」の取材に応じ、“競技転向のススメ”を説いた。自身は駅伝、400メートル、100メートルと専門種目を渡り歩き、2014年にはボブスレー男子4人乗りでソチ五輪に出場。「勝てる場所で勝つ」「勝てば後から好きがついてくる」という持論をもとに目標をクリアしてきた。

佐藤真太郎氏が「勝てる場所で勝つ」思考に至った経緯とは【写真:松橋晶子】
佐藤真太郎氏が「勝てる場所で勝つ」思考に至った経緯とは【写真:松橋晶子】

陸上短距離&ボブスレーを経験、佐藤真太郎氏の“競技転向のススメ”とは

 元陸上短距離選手の佐藤真太郎氏が「THE ANSWER」の取材に応じ、“競技転向のススメ”を説いた。自身は駅伝、400メートル、100メートルと専門種目を渡り歩き、2014年にはボブスレー男子4人乗りでソチ五輪に出場。「勝てる場所で勝つ」「勝てば後から好きがついてくる」という持論をもとに目標をクリアしてきた。

 現在は大東文化大陸上競技部のコーチを務め、男子短距離で東京五輪出場を狙う多田修平(住友電工)、白石黄良々(セレスポ)らを指導。陸と雪、2つの道を駆け抜けた同氏に、適正種目で戦う大切さや指導者へのアドバイスを聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

【特集】「勝てば後から好きがついてくる」 適正種目で戦う大切さや指導者へのアドバイス / 陸上短距離&ボブスレー・佐藤真太郎氏インタビュー(GROWINGへ)

◇ ◇ ◇

 好きなことで成功する。最も理想的な姿だ。しかし、必ずしも全員が成就できるわけではない。一生かけても成果を得られない可能性が高いけど、好きなことを追い求めるのか。好きではないけど、大きな成果を得られる道に進むのか。部活だけでなく、一般企業の会社員などにも当てはまる悩み。向き不向きは人それぞれ。そんな悩みを持つ選手がいたら、佐藤氏はこうアプローチをかける。

「選手がどうしてもその種目に転向したいと言ってきた時、適正があれば勧めますが、乏しい場合は適正種目を勧めるようにしています。100メートルより400メートルに適正がある。でも、100メートルをやりたいとなった時、『400メートルで全国に行くのか、あるいは100メートルをやるけど、リレーの補欠になれるかどうかのところでやるのか』と話す時があります」

 意志が変わらないなら妨げない。ただ、適正種目への転向を推すのには強い理由がある。「勝てる場所で勝つ」「勝てば後から好きがついてくる」という持論があるからだ。

 自身は転向に次ぐ転向のアスリート人生を過ごした。小学生時代は水泳。中学から駅伝に出会い「中1ではある程度速い選手でしたが、段々と短距離の方が速くなって」と転向。次に選んだ種目は400メートルだった。

 一番の理由は心臓病を患っていた母を喜ばせるため。「喜ばせようと思ったら、やっぱり勝たないといけない。負けると(母は)がっかりするので。レースに出るからには勝つ。まずそこに価値を見出していました」。より勝てる可能性が高い種目が400メートル。適正を感じただけでなく、最も過酷とされる種目でもあり、100メートルと比べると競技人口は少ない。自分の努力次第で日本一に手が届く可能性があると思った。

 ただ、最初はやりたくなかった。「正直、めちゃくちゃ嫌いでしたね。過酷さは想像以上。それでも、母を元気づけたい一心で陸上と勉強に集中し、中学生がとことん結果を追い求めた。「勝つためにやっているので、勝ち切らないとやる意味がない。勝ちを優先した全ての行動をとりました」。1日に200メートルを20本。自主練習でブラックアウトするレベルまで追い込んだ時期もあった。

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