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「大事なのは日々の積み重ね」 元五輪選手が“走り”を通じ、宮古の子供達へ伝えたい事

参加した子供たちは、モニターに映る伊藤さんと一緒に“集合写真”【写真:東日本大震災復興支援財団提供】
参加した子供たちは、モニターに映る伊藤さんと一緒に“集合写真”【写真:東日本大震災復興支援財団提供】

より足が速くなるコツは…他の人にも教えること

 30分の走りのトレーニングを含んだオンラインイベントは約2時間に及んだ。画面越しでのやり取りになったものの、昨年からプログラムに参加する関口健太さん(小6)は「リモートだったけど、走り方とか前よりできたと思うので良かった」と手応えを口にすると、初めて参加した佐々木海知さん(小6)も「なかなかない機会で教えてもらえたことを活かして、50メートル走でタイムを縮めることができた」と喜んだ。

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 今後は参加した子供たちから練習した動画が送られ、それに対し、「夢応援マイスター」の伊藤さんがアドバイスを添えて返信する。月1回のやりとりを繰り返しながら、約3か月間で走りの技術向上を目指していく。

 閉会式。これから一緒にトレーニングを行う子供たちに、伊藤さんはこんなメッセージを送った。

「オンラインという少しやりづらい形にはなってしまったけど、このプログラムの大半は動画のやり取りで、オンラインで行われていきます。このやり方に慣れていくことがこれからの社会を生きていく皆さんの力になると思います。

 今日も走りのポイントを伝えましたが、大事なのは、ちょっとずつ日々の積み重ねによって変わってくることが大きい。皆さんが持っている夢達成ノートを毎日活用しながら、仮にもし途中で中断しちゃったとしても、ちゃんとできるようになったかなとコツコツやってみてください。

 それともう一つ。これをやって良かったなとか、これで変わったなということを、今いるメンバーや、みんなが所属する陸上クラブのメンバーに教えてあげてほしいです。みんなの走りを良くしてあげることで、走りに対する理解がより深まっていくと思うので、他の人に教えることもいいと思います。それにみんなと一緒に学んでいけたら、自分の足もより速くなると思います」

 寒さを吹き飛ばす熱のこもったメッセージ。自分の成長をより高めるためにも、人に教えることを求めた伊藤さん。「3か月と短い期間ですが、皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。これからもよろしくお願いします!」と、最後はモニターに映る伊藤さんと一緒に1枚の写真に収まった。

 これからの3か月。東北は寒さと雪で決してベストなトレーニング環境ではないのかもしれない。それでも、今できることは確実にあるはずだ。それをコーチ役の伊藤さんと一緒に行うことで、春が訪れる頃にはしっかりとした成長を感じることができるはずだ。

(THE ANSWER編集部)

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伊藤 友広

元陸上五輪代表

国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ・ユース対象)。

1982年8月16日生まれ。秋田県出身。国際陸上競技連盟公認指導者(キッズ・ユース対象)。大曲高(秋田)で国体少年男子A400メートル優勝。アジアジュニア選手権400メートル5位、同1600メートルリレーはアンカーで優勝。国体成年男子400メートル優勝。卒業後は法大に進学。04年アテネ五輪男子1600メートルリレーの第3走者として日本歴代最高の4位入賞に貢献。現在は秋本真吾氏らとスプリント指導のプロ組織「0.01 SPRINT PROJECT」を立ち上げ、ジュニア世代からトップアスリートまで指導を行っている。
http://001sprint.com/

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