[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

米国にも「女子マネ」はいるのか 性別に関わらない“部活サポート”の理想

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「米国に『女子マネ』はいるのか」。日本では、高校野球をはじめ、夏の大会が真っ盛り。チームを支える「女子マネ」の存在がたびたび、クローズアップされるが、米国の部活のマネジャーの姿とは――。米国で実際に高校運動部でスポーツに励んでいる息子を持つ、谷口氏が実情をレポートする。

米国に「女子マネ」はいる?【写真:Getty Images】
米国に「女子マネ」はいる?【写真:Getty Images】

連載「Sports From USA」―米国に「女子マネ」はいるのか、運動部の実情をレポート

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「米国に『女子マネ』はいるのか」。日本では、高校野球をはじめ、夏の大会が真っ盛り。チームを支える「女子マネ」の存在がたびたび、クローズアップされるが、米国の部活のマネジャーの姿とは――。米国で実際に高校運動部でスポーツに励んでいる息子を持つ、谷口氏が実情をレポートする。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 私の長男は私立高校に籍を置き、寮生活をしている。息子は運動部に入っているが、彼の試合会場は私の家からは遠く離れているため、会場にかけつけて観戦するということはあまりない。その代わり、ゲームが始まるとスマートフォンを見る。グループチャットに試合速報のテキストメッセージが次々と流れてくるからだ。テキストメッセージを送ってくれるのは、運動部のマネジャーだ。別のマネジャーは試合をビデオで撮影し、オンラインで視聴できるように動画をアップする担当。もう一人のマネジャーは試合中の水分補給用ボトルの用意と用具管理を担っている。

 息子の運動部にはマネジャーが3人いる。3人とも女子生徒である。

 しかし、彼女らは「女子マネ」ではない。「スチューデント・マネジャー」である。スチューデント・マネジャーという役割は女子でも、男子でもできる。性別に関わらない。たまたま息子の運動部の今年度のスチューデント・マネジャーは女子ばかりだったということだ。ただ、私の周囲を見渡す限りは、女子のスチューデント・マネジャーのほうが、男子よりも多いように見受ける。
 
 大学のマネジャーは高校の運動部とは少々事情が異なる。

 以前、メジャーリーグのデトロイト・タイガースの広報を務めていた女性は、大学時代にはNCAA(全米大学体育協会)1部校のアメリカンフットボール部のスチューデント・マネジャーだった。彼女に話を聞いたところ、アメリカンフットボール部では、マネジャーになるのにもトライアウトをパスする必要があるという。春のトレーニング期間中にマネジャー希望者を募り、同部のスタッフらがマネジャーとして適任かどうかを見極める。当時、マネジャーは20人ほどおり、どちらかといえば男子学生が多かったそうだ。米国の大学では競技優秀者には奨学金が与えられることはよく知られているが、スチューデント・マネジャーのなかでもマネジャーとしての優秀さが認められると、大学から奨学金を与えられるという。

1 2

谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集