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「平日夕方の公式戦。結構、疲れます」 米国の部活に保護者として感じた“違和感”

一番に考えるべき“試合数の減少”は日本も米国も難しいのが現実

 これまでにもレポートしたように米国の学校運動部はシーズン制。米国の運動部にとってシーズンの3~4か月は練習期間というよりも、試合をする期間といえるのではないか。スポーツは競うこと(勝利至上主義という意味ではなく)に大きな面白みがある。練習ばかりをして試合数が少ないと、スポーツの醍醐味をあまり味わえないと、私は考えている。だから試合数が多いことには賛成だ。

 しかし、高校生の保護者としては、平日に試合が詰まっていることは、もろてを挙げて歓迎できない。米国の高校生も毎日、多くの宿題を課されている。試合で体力を使い果たして夜9時や10時に帰宅すると、食事をして、風呂に入るのが精一杯で、そこから宿題をするだけの気力はあまり残っていない。翌朝は6時30分には起きて、7時45分から始まる1時間目の授業に向かわなければいけない。試合会場に向かう移動のバスで宿題を終わらせたり、朝5時台に起きたりして登校時間までになんとか宿題を終わらせている。

 長男が中学生のとき、陸上の郡大会に出場した。木曜日に学校を早退して出かけていった。郡大会というシーズンで一回だけのイベントだったとはいえ、表彰式が終わったのは午後9時過ぎ。帰宅したのは午後11時近くだった。引率していただいたコーチも中学校の教員で、翌日も仕事がある。お疲れになったことだろう。

 米国の運動部も、休日の日中にゆっくり試合をしてくれればと、私は愚痴をこぼしている。けれども、裏を返せば、学校運動部の公式戦は日曜日にはほとんど行われないのだから、のんびりできるというメリットはあると付け加えなければいけないだろう。最近では日本でも長時間に及ぶ運動部活動を見直そうという動きが出てきているが、これまでは、土日には試合を詰めて、平日の夕方に練習をし、結果的にあまり休みがない状況もあったと伝え聞く。

 試合のために、何を犠牲にできるのか。睡眠時間、家庭学習、学校早退……。どれも簡単には受け入れられない。米国は、日本の運動部に比べると、短期間に多くの試合をし、練習時間は少ない。技術の習得は個人か、学校外のチームでやるしかない。けれども、試合数をこなすために、練習時間を少なくするというのは、睡眠時間を削るよりはマシかもしれない。心身の負担を減らすために、試合数を減らすことは、一番、考えなければいけないことだろうが、日本でも、米国でも、難しいのが現実だろう。試合は楽しく、魔力がある。平日の夜は落ち着いて宿題をと思っているのに、私も、試合の魅力にしばしば引きずられそうになっている。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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