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引退トンプソン、最終戦でゴールキック成功 長年の声援に感謝「感動します、めっちゃ」

ラグビーのジャパン・ラグビー・トップリーグ(TL)2部に相当するトップチャレンジリーグの最終戦が19日、3会場で行われた。秩父宮では昨年のワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りに貢献したLOトンプソン・ルーク擁する近鉄が、栗田工業に74-0で勝利。全勝優勝で、38歳ベテランの引退試合を飾った。

ファンに手を振る近鉄のトンプソン・ルーク【写真:宮内宏哉】
ファンに手を振る近鉄のトンプソン・ルーク【写真:宮内宏哉】

38歳「トモさん」フル出場で幕「ちょっと疲れた。久しぶりの80分で」

 ラグビーのジャパン・ラグビー・トップリーグ(TL)2部に相当するトップチャレンジリーグの最終戦が19日、3会場で行われた。秩父宮では昨年のワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りに貢献したLOトンプソン・ルーク擁する近鉄が、栗田工業に74-0で勝利。全勝優勝で、38歳ベテランの引退試合を飾った。

 11日の釜石戦(長居)で左耳から出血して途中交代していたが、トンプソンはこの日も先発出場。前半からボールを持つたびに「トンプソン」「トモさん」などの大声援が飛んだ。体を張ったプレーでFW陣を牽引し、80分間フル出場でチームの全勝優勝に貢献。なかでも、沸かせたのは60-0とリードした後半31分の場面だ。

 ゴール正面15メートルほどの優しいコンバージョンキックに立ったのは、なんとトンプソン。やや緊張した面持ちでセットし、キックすると綺麗にゴールが決まった。これには本人も笑顔。下部リーグとしては異例ともいえる1万4599人が詰めかけた秩父宮が大歓声に包まれた。

 最後は後半50分に味方が決めたトライで再びキックに立ったトンプソン。今度は右斜め45度の30メートルほどの難しい位置となり、キックは失敗に。これが現役ラストプレーとなった。試合後はチームメートと笑顔で抱き合い、ファンのスタンティングオベーションに応えた。

 試合後、場内インタビューに立ったトンプソンは「うれしいです。試合勝ちましたから。でも、ちょっと疲れた。久しぶりの80分で」とおどけながら、勝利を喜んだ。この日は1万5000人近いファンが詰めかけ、「ホントありがたい。皆さん、16年前からすごく応援してくれた。感動します、めっちゃ。すごい良いメモリーばかり、すごい良いフィニッシュ、ありがとうございました」と得意の関西弁も交えつつ、感謝した。

 トップリーグで初めて出場した試合も秩父宮だった。「秩父宮はすごい特別なグラウンド。みんな、東京のファンはすごくいいファン、めっちゃ応援してくれた。いい場所だから。ここで終わるのはうれしい」と感慨深げ。4度出場したW杯については「日本代表チーム入ったら、すごい誇ります。日本は素晴らしいファン、本当にありがとうございました」と述べた。

 最後にファンにメッセージを求められると「いやあ、言葉は難しいけど、皆さん本当にありがとうございました。ファン、素晴らしいチームメート、言葉は難しいけど、ありがとう。それだけです」と日本語で誠実に答えた。04年に故郷のニュージーランドから来日以来、日本一筋でプレーした。流暢な関西弁で親しみを込め、「トモさん」の愛称がついた。10年には日本国籍を取得。日本を愛し、日本に愛された38歳がジャージを脱ぐ。

(THE ANSWER編集部)

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